ミニ・エースマン 詳細データテスト ミニらしい走り やや狭い室内 カントリーマンよりクーパー寄り

公開 : 2025.01.25 20:25

ミニのEV専用モデルは、クロスオーバースタイルながらカントリーマンのようには大きすぎず、クーパー寄りのコンパクトさで、走りもいかにもミニ的。航続距離や居住性には注文もありますが、ミニ好きなら満足の仕上がりです。

はじめに

ミニブランドの2024年は忙しなかったが、今回テストするエースマンは、おそらくもっとも重要な進展を見せたモデルだ。というのも、ほかのモデルは既存車種の刷新だが、エースマンは短命だった2012年登場のペースマンを継ぐものでも、セールスが低調だったワゴン風のクラブマンを改名したものでもないからだ。

この完全に新車種であるミニは、主力車種であるハッチバックのクーパーと、Cセグメント級のカントリーマンとのギャプを完璧に埋めることを意図している。そしてさらに意義を見つけるとするなら、これが現在のデザイン言語をはじめて提案した、2022年のエースマン・コンセプトから発展したモデルだということがある。

テスト車:ミニ・エースマンSEエクスクルーシブ
テスト車:ミニ・エースマンSEエクスクルーシブ    JACK HARRISON

このクルマが目指すのは、なによりミニ本来のダイナミズムや商品性に、より実用的な使い勝手を文句なく融合することだ。生産は、BMWと長城汽車の合弁会社であるスポットライト・オートモーティブが中国の張家港で行う。付け加えるなら、ミニのカタログモデルとしては現時点で唯一、BEV専用モデルである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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