ミニ・エースマン 詳細データテスト ミニらしい走り やや狭い室内 カントリーマンよりクーパー寄り

公開 : 2025.01.25 20:25

結論 ★★★★★★★☆☆☆

ミニ・エースマンは、クーパーとカントリーマンのギャップを埋める存在だと想定されたのだろうが、良くも悪くも、後者より前者にかなり近い。というのも、比較すればクーパーより実用性や万能性、航続距離がわずかに上回るが、小さなクルマらしいアジリティや、わんぱくで楽しい走りは十分に残しているからだ。

これこそ、ミニの電動クロスオーバーとして適切なサイズかもしれない。もし、これが従来のミニの最終型だったなら、そのDNAをほぼすべて、現在のミニの走りにおけるアイデンティティの実像を再構築するのに当てたはずだ。おそらくそれはパワートレインではなく、乗り心地やハンドリングについてで、そこは正真正銘のミニらしく感じられた。

結論:ミニらしい魅力はいつも通りだが、さらなる成長をアピールできる部分は限定的だ。
結論:ミニらしい魅力はいつも通りだが、さらなる成長をアピールできる部分は限定的だ。    JACK HARRISON

クラス水準に照らせば、エースマンはもっと広く効率的にして、充電性能も高め、重要なオプションを標準装備しながらコストを抑えることもできたはずだ。とはいえ、それらが成功の妨げになるとは思えないが。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

ステアリングホイールにシートベルトのようなテキスタイルのストラップを付けたり、ダッシュボードにリサイクル素材の布やレザーのディテールを用いたりしたのは、目をひいたり変化を加えたりする以外の理由が見つからないが、変化があるのはいいことだ。

イリヤ・バプラート

ハンドリングやステアリングには、そのままでもソワソワしたところがある。JCWになって、パワーが増して、スプリングとスタビライザーがハードになって、大径ホイールを履いたら、エンターテインメントの領域を飛び出して悩みの種になりかねない。

改善してほしいポイント

・航続距離延長を。バッテリー拡大でも、パワートレインやシャシーの効率向上でも、手段は問わない。
・扱いやすいエネルギー回生のマニュアルコントロールが加われば、航続距離延長に寄与するだろう。
・標準装備の拡充と、もっとコスパのいいオプションパックの設定を。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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