ランドローバー・ディフェンダー、第2世代でEV化へ 「現行では難しい」理由とは

公開 : 2025.01.27 06:05

ランドローバー・ディフェンダーのEV版は、パッケージング上の都合で現行型ではほぼ不可能とされる。次の世代で新プラットフォームに移行する必要があるが、2030年以降になりそうだ。

プラットフォームに限界

ランドローバーディフェンダーのEV版が登場するのは、新しいプラットフォームを使用して次の世代へ移行する2030年以降になる可能性が高い。

JLR(ジャガー・ランドローバー)の最高商務責任者であるレナード・ホーニック氏はAUTOCARの取材で、現行型ディフェンダーの電動化に関するリサーチにより、乗り越えるのが難しいパッケージング上の問題が明らかになったことを認めた。

ランドローバー・ディフェンダーP400e(PHEV版)
ランドローバー・ディフェンダーP400e(PHEV版)

「D7xプラットフォームを採用した現行の『L663』型をEV化することは、当社の望むところではない」とホーニック氏は言う。

「L663は、優れた性能を発揮するクルマであり、すでに(4気筒)PHEV版も存在しているが、必要なアクスル・パッケージングや性能を考慮すると、バッテリー搭載用のスペースをシャシー内に確保することは容易ではない」

レンジローバーやレンジローバー・スポーツ(MLAプラットフォーム車)にはJLRの大型バッテリー搭載6気筒PHEV版が存在するが、D7xプラットフォームではこれに切り替えることさえ不可能であると、同社関係者は認めている。

「当社は、レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリー、ジャガーという新しいブランドのそれぞれで量産EVを作ると発表しており、その方針に変わりはない。しかし、現行のディフェンダーのプラットフォームにスペースを見つけるのは本当に難しいので、別のものを使用する必要がある」とホーニック氏は続けた。

つまり、新プラットフォームへ移行した2代目ディフェンダーを待つか、あるいはEV専用プラットフォームを採用したディフェンダーブランド第2のモデルを投入するかのいずれかになるが、ホーニック氏は方向性については明言しなかった。しかし、同氏のコメントからは、前者のシナリオの可能性が高いことがうかがえる。

「EVは、ディフェンダーの進化においてかなり重要なステップとなる」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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