3列シートディーゼルSUV日米2台巨頭! ランクル250vsジープ・コマンダー

公開 : 2025.01.30 11:45  更新 : 2025.01.30 17:17

コマンダーはランクル250よりコスパが高い?

サイズ的には、ランクル250はコマンダーよりひとまわり以上大きく、500kg以上重い。とくに2m近い車幅はカメラが備わっているとはいえ都会の街中を走るときにはかなり気を遣う。小回りも効かない。

車両価格も、コマンダーは609万円だがランクル250はディーゼル車の3列7人乗りで630万円〜735万円。安全&快適装備に関しては、どちらも十分なレベルにある。

ジープ初のディーゼルエンジンを搭載するコマンダー。9速ATを組み合わせる。
ジープ初のディーゼルエンジンを搭載するコマンダー。9速ATを組み合わせる。    小川和美

昨今の燃料代高騰を考えると、燃費も無視できない。カタログデータだが、WLTCモード燃費でコマンダーは14.4km/L、ランクル250は11.0km/L。年間1万km走行するなら、軽油代が156円/Lとすると、コマンダーが10万8333円、ランクル250が14万1818円と、その差は3万3485円となる。さらに、自動車税はコマンダーは3万600円でランクル250は5万円だから、その差は1万9400円。ランニングコストの差も、けっこう大きい。

そして250に限らずランドクルーザーでネックとなっているのは『盗難』の問題だ。今回、トヨタから借り出した広報車にも、ハンドルロックとタイヤ(ホイール)ロックが備わっており、試乗前にその使い方をレクチャーされるほど。また、盗難に伴い保険料も割高な設定となっている。さらに、納車までの期間も短くはない。

もちろん、それを補って余りある悪路走破性やトヨタ車ならではの使いやすさ、そしてなんといっても『ランドクルーザー』というブランドの持つイメージと、それを所有する満足感は強い。

それでも、コマンダーも『ジープ』というSUV専門ブランドの矜持を感じさせる。ジープ車が欲しかったけれど家族構成などの関係でミニバンしか持てなかったとか、SUVやクロカン4WDにはこだわりがあるけれど、ハードな走りをする機会はほとんどない、といったファミリー層には、コマンダーは格好のアイテムかもしれない。

ポストミニバンとして3列シートのディーゼルSUVを検討しているなら、まずは一度試乗してみることだ。カタログからは想像がつかなかった、自分に合った1台が見つかるかもしれない。

トヨタ・ランドクルーザー250とジープ・コマンダー 2台のスペック

トヨタ・ランドクルーザー250 ZX

価格:735万円
全長:4925mm
全幅:1980mm
全高:1935mm
ホイールベース:2850mm
最高速度:239km/h
0-97km/h加速:6.4秒
燃費(WLTC):11km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2380kg
パワートレイン:2754cc直列4気筒ターボ
使用燃料:ディーゼル
最高出力:204ps/3000rpm-3400rpm
最大トルク:500Nm/1600rpm-2800rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

ジープ・コマンダー リミテッド

価格:609万円
全長:4770mm
全幅:1860mm
全高:1730mm
ホイールベース:2780mm
燃費:14.4km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1870kg
パワートレイン:1956cc直列4気筒ターボ
使用燃料:ディーゼル
最高出力:170ps/3.750rpm
最大トルク:350Nm/1,750rpm-2,500rpm
ギアボックス:9速オートマティック(四輪駆動)

小川和美

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_

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