ゴードン・マレー氏と新社屋へ潜入 T.50の量産拠点 GMAを訪問(1) 教育機関も計画中

公開 : 2025.02.04 19:05

シンプルさとロジック、クオリティ、モダンさ

アッセンブリー・ワークショップの隣には、サービスセンターがあり、50台ほどのT.50が作業のために並んでいた。大半のオーナーが、クルマをコレクションとして飾るのではなく、路上で走らせているように思えることが誇りだと、マレーは口にする。

筆者たちは、その沢山のT.50の間を歩く。彼が仕事へ取り組む際に重視する、シンプルさやモダンさ、ロジック、クオリティへ、感心せずにいられない。

ゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)の新社屋の様子
ゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)の新社屋の様子    ブランドン・パウエル(Brandon Powell)

敷地内には、デザインスタジオと研究開発センターも竣工予定。シェイクダウン用の、コンパクトなテストコースも作られる。それはスピードを出すためではないと、彼は断言する。協力的な地元議会の、理解を得るのは簡単ではない。

彼自身のカーコレクション用ガレージも作られるそうだ。若かったマレーが最初に手掛けた魅力的なモデルから、電気自動車、自身へ大きな影響を与えた愛すべきクルマなどが並べられる。

キャリアの60周年を祝うイベントも開催予定。ハイアムズ・パークが完成したら、一般へ開放する日も設けるという。

自動車業界に最新の科学と革新をもたらした人物らしく、彼は教育機関を作ることも計画している。具体的なことが動き出すのは数年先で、入学条件や得られる資格などは決まっていないが。

30名ほどの有能な技術者が毎年巣立ち、他の自動車メーカーで活躍したとしても、マレーは構わないと話す。死ぬまで人生を豊かにしてくれると、誰よりも深く理解するこの業界へ、才能のある人材を引き寄せることが唯一の目的なのだそうだ。

GMA T.50の同乗レポートは、T.50 GMAを訪問(2)にて。

撮影:ブランドン・パウエル(Brandon Powell)

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

T.50 GMAを訪問の前後関係

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