BMW X6 xDrive 30d Mスポーツ

公開 : 2015.02.12 23:25  更新 : 2017.05.23 10:26

ただし乗り心地に関してはさらなる期待を寄せざるを得ない。どのドライビング・モードでも、足元がバタつき、露骨に路面の隆起を伝えることが多いのだ。

また2140kgという車重は身のこなしにも大きく影響する。もちろん粘り強さが手伝って、簡単にコーナーを抜けることができるのだが、重さとサイズは残念ながら無視できず、入力に対してやや遅れて車体がついてくる印象がつきまとう。

ただし0-100km/hタイム6.7秒という値は、このクラスのクルマとしてはまずまずのもの。驚くほど速いわけではないけれど、実用に足るスペックであることは間違いないため、このグレードこそオススメともいえる。

エンジンは力強く、8速オートマティック・ギアボックスのスムーズかつ的確な変速のおかげでターボ・ラグを感じることも少ない。パワー・バンドの維持もほとんど機械任せでも問題ない。パドルによる変速が必要ないのもその証拠だ。

キャビンの変更点はごくわずかで、X5のそれとほとんど見分けをつけることが難しいけれど、引き続き問題という問題は見当たらない。

なかでもシートのサポート性と質感はこのクラスに恥じぬ出来栄えであり、ポルシェカイエンやさらに高価なレンジローバー・スポーツには劣るものの、座っていてとても心地よい類である。

主要ライバルに比べて標準装備が充実している点もX6の優れたポイント。なかでも大型のスクリーンをもつ衛星ナビゲーション・システムは、X6の競争力を大いに高めてくれるはずだ。

ただし、相変わらず実用性の低さは問題である。特異なボディ後半のデザインのおかげで、リア・シートの居住性はやや窮屈だ。40/20/40方式で分割できるシートのおかげで柔軟性は増したものの、荷室は横幅/深さともに満足のいくものではない。後方視界も同様だ。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事