帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生

公開 : 2025.02.15 17:45

目標は当時の姿へ可能な限り戻すこと

「シャシー番号57503のこれが、モンレリー・サーキットで速度記録を残したことは間違いありません。ロバートさんも、どんなクルマなのかを理解した、積極的なドライバーといえました」

ダットンは、オリジナル性を重視する職人だ。ペブルビーチ・コンクール・デレガンスで優勝したタイプ59など、歴史的なレーシング・ブガッティに対する仕事には、高い定評がある。

ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1937年式/英国仕様)
ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1937年式/英国仕様)    オルガン・コーダル(Olgun Kordal)

2021年3月にバンフォード卿は、ダットンと信頼するレストア職人、クラーク&カーター社のスティーブ・クラーク氏との3人で、作業の方向性を確認。初代オーナーのロプナー夫妻がフランスを巡った、当時の姿へ可能な限り戻すことが目指された。

ダットンは、主にメカニズムのリビルドを担当。クラークは、ボディとインテリアのレストアを引き受けた。

それに先立ち、コルシカ・ボディを載せたタイプ57 Sの歴史が調査された。依頼を受けたのは、ブガッティへの造詣が深いピーター・ブラッドフィールド氏。この話を聞いたロプナー家は協力的で、アルバムから写真を提供してくれたという。

この続きは、ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ミック・ウォルシュ

    Mick Walsh

    英国編集部ライター
  • 撮影

    オルガン・コーダル

    Olgun Kordal

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ブガッティ・タイプ57 S コルシカの前後関係

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