【顧客のニーズに合わせた電動化を推進します】アウディの次世代ハイブリッドシステム:MHEVプラス
公開 : 2025.01.29 06:45
PTG(パワートレインジェネレーター):追加の強力な駆動モジュールとしての役割
MHEVプラスシステムのもう一つの大きな利点は、性能と乗り心地を向上させることだ。
PTGはこの新しいシステムで採用された、コンパクトでありながら強力な電動駆動モジュールで、このコンポーネントは、アウディがこれまで提供してきたMHEV(マイルドハイブリッド)テクノロジーとの大きな違いがある。
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従来のMHEVテクノロジーは、ベルト式オルタネータースターターのみを使用していたが、PTGはトランスミッションの出力軸に直接取り付けられた統合型パワーエレクトロニクスを備えたコンパクトなユニットとして取り付けられ、最大24psの電力を駆動に供給。
このモジュールは、トランスミッションの出力で、最大230Nmのトルクを発生させ、車両始動時から駆動トルクとして直接利用することが可能だ。PTGのコンパクトなトランスミッションは、3.6:1のギア比で動作し、MHEVプラスは、最高140km/hの速度までPTGを活用して最大限の効率化を行う。それ以上の速度域に入ると、PTGは内蔵のドッグクラッチを介して駆動系から切り離される。
PTGの重量は約21kgで、出力シャフトで最大5550回転/分に達しする。これにより、モデルや駆動バリエーションによって、130~140km/hの速度に対応。
トランスミッション出力部と電動モーターの統合を、既存モデルの車両トンネル内の制約範囲内で行うのに必要なスペースを確保するため、周辺部品に最小限の変更も行われ、ギアボックスのすぐ後ろに配置したことで、いくつかのメリットがある。
たとえば、PTGが発揮する18kWの駆動力、最大25kWの回生ブレーキ力は、無駄なく直接車軸の出力に直接利用することができ、この構成により、PTGは前輪駆動とクワトロ四輪駆動の両モデルで、手を加えることなくモジュラー方式で使用可能となった。
高い快適性の要件を満たすためには、トルク、電流、モーター回転数を正確に制御する必要があり、作動温度範囲はマイナス40度からプラス75度だ。電動モーターの周りを覆うウォータージャケットが、コンパクトかつ高集積パワーエレクトロニクスも冷却する。
この共通の冷却回路は、省スペース設計のために電動モーターに直接取り付けられています。高性能パワーモジュールは、パワーエレクトロニクス内のヒートシンクの周辺に配置され、中間回路のコンデンサもヒートシンクに囲まれることで、省スペースかつ熱効率の良い設計となった。
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