【顧客のニーズに合わせた電動化を推進します】アウディの次世代ハイブリッドシステム:MHEVプラス

公開 : 2025.01.29 06:45

顧客ニーズを重視した開発

アウディは、将来の顧客のニーズを見据えてMHEVプラステクノロジーを開発した。

従来のドライブトレーンは、第1世代のスタートストップ機能やマイルドハイブリッド技術に基づき、停車時のエンジン停止、コースティング、エンジンを停止した状態での惰性走行、12ボルトまたは48ボルトのエネルギー回収といった効率向上を実現してきた。

アウディの次世代ハイブリッドシステム:MHEVプラス。
アウディの次世代ハイブリッドシステム:MHEVプラス。

新しい技術による電動化の進展に伴う主な利点には、スタートストップ機能の進化による快適性の向上、排出ガスを出さない惰性走行、エネルギー回生、電動駐車や低速走行時の部分的な電動走行、そして内燃エンジンを電動サポートすることによる性能向上などが挙げられる。

この技術により、完全電動走行が可能になり、例えば、都市内を低速で走行する場合や、郊外での渋滞中、あるいは市街地に近づく際など、内燃エンジンを長い時間停止させたままで済む。

さらに、PTGが低速時でも最大230Nmの駆動トルクを発揮するため、車両のスタートアップ時の応答性が大幅に向上し、よりスムーズで俊敏な動きを実現した結果、特に出発直後の数メートルの加速が顕著に向上する。

0km/h~最高140km/hの速度域では、PTGが内燃エンジンをサポートすることにより、MHEVプラスは最大18kWの追加電力を提供し、内燃エンジンが可能な限り効率的に動作できるようになり、この速度域から車両が停止する際には、回生ブレーキを通じてPTGは最大25kWのエネルギーを回生する。

統合型のブレンディング対応ブレーキ制御システムにより、通常は摩擦ブレーキを使用することなく、圧力をかけないブレーキと最適な回生ブレーキを実現し、電動エアコンプレッサーのおかげで、MHEVプラスは信号待ちなど内燃エンジンが停止中でもエアコンシステムを継続的に作動させることが可能だ。

BAS(ベルト駆動式オルタネータースターター)、リチウムイオンバッテリー、iBRS(統合ブレーキ制御システム):理想的な組み合わせ

MHEVプラステクノロジーの一部として、BASはエンジンの始動やバッテリーへの電力供給を行う。

ベルト駆動はピニオンスターターに比べて音響面での利点があり、内燃エンジンの始動をより早めることにより、燃費が向上するとともに、快適な始動を実現。また、BASはエンジン停止中にエネルギーを回収し、再始動時に最適なシリンダー位置を確保する役割も果たす。

アウディの次世代ハイブリッドシステム:MHEVプラス。
アウディの次世代ハイブリッドシステム:MHEVプラス。

リチウムイオンバッテリーは、LFP(リン酸鉄リチウム)を使用しており、約1.7kWh(総容量)に相当する37Ahの容量を持っており、最大放電出力は24kWだ。供給能力況や、出力、トルクの要件を鑑みて、このバッテリーは25度から60度の範囲で最適な条件を維持できる低温水冷回路に統合されており、アウディがマイルドハイブリッドシステムにLFPバッテリーを採用するのは、今回が初めてとなる。

iBRSは、エネルギー回収において重要な役割を果たし、MHEVプラステクノロジーを搭載したモデルでは、iBRSは圧力をかけないブレーキを実現し、機械式ホイールブレーキを使用せずに回生ブレーキによる減速を行う。ブレーキペダルを強く踏み込んだ場合のみ機械式ブレーキが作動するが、この制御方法により、ブレーキフィールが悪くなることは無いと述べた。

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  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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