【第2回はアルファ・ロメオ 155】第5水曜日の男!遠藤イヅルの『令和的』ヤングタイマー列伝!

公開 : 2025.01.29 17:05

隠れた名作アルファ・ロメオ

第1回のBMW の4代目『3シリーズ』(E46)と同様、1990年代のクラス(Dセグメント)は、現在に比べるとぎゅっとコンパクト。155も全長約4.5m、全幅約1.7mほどで、とても扱いやすいサイズです。それでいて車内やラゲッジスペースはとても広く、モデルによっては乗り心地も良好。スポーティな実用セダンとして、実はかなりの高得点をマークできるクルマではないかと思います。

トランスミッションがマニュアルの設定しかないことも、むしろトラブルを抑える高ポイント。後継の『156』のような曲面主体の流麗、美麗な内外装は持ちませんが、直線的なデザインはいつまでも飽きがくることがありません。

DTM での強さが記憶に残る155V6 TIの1993年仕様。同車の開発はアバルトが行ったため、アバルトのコード『SE052』を持つ。
DTM での強さが記憶に残る155V6 TIの1993年仕様。同車の開発はアバルトが行ったため、アバルトのコード『SE052』を持つ。    アルファ・ロメオ

現在(2025年1月)の中古車相場は100〜150万円ほど。販売年の経過を考えれば、今市場に出ている個体はそれなりに手が入っている可能性が高く、その割には購入しやすい価格といえます。75のようなエキセントリックさもなく(それもまた75に惹かれる理由ではあるのですが)、乗ったらまごうことなきアルファ・ロメオで、かつファミリーカーとしても使える155は、まさに『今見直すといいよね』という隠れた名作アルファ・ロメオなのかも。

とはいえ流通数は年々減っており、手に入れるチャンスは減っているのも事実……と書いていたら、155いいな、買うなら今しかないのかもって、自分も欲しくなってしまいました(笑)。

最後にどうでもいい余談を。車名は155ですが型式的には『167』です。嗚呼、ややこしい! さてさて、次回の『第5水曜日の男』は4月30日公開予定。その時は何を取り上げようかしら。どうぞご期待ください。

記事に関わった人々

  • 執筆

    遠藤イヅル

    Izuru Endo

    1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター兼ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。実用車や商用車を好み、希少性が高い車種を乗り継ぐ。現在の所有は1987年式日産VWサンタナ、1985年式日産サニーカリフォルニア、2013年式ルノー・ルーテシア。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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