マツダ6ツアラー2.2D 150 SE-L

公開 : 2015.02.12 23:15  更新 : 2017.05.29 19:13

一見柔和な印象をもたらす新しいダンパーとブッシュではあるけれど、特に未舗装のうえでのマナーは要改善点。常にステアリングを握る手やペダルに微振動を伝えてくる。他のファミリー・サルーンの方がもっと丁寧にバンプをいなしている。

さらにハンドリングに関して一点。乗り心地を優先させたためか、ドライバーとクルマにもたらすマツダらしい一体感は薄れているように感じる。フェイスリフト前には感じ取ることのできた、豊かなフィールやしっくりとくる重みは失われており、中立点付近の曖昧さも目立つ結果となった。

パワー・アシストの制御ロジックも、もう少し煮詰めなおす必要がある。とくに舵角を与えた際、鼻先が自分の思っている向きとわずかながらにズレることがあり、これが積み重なるとストレスに感じる。

グリップ、レスポンス、ボディ・コントロールは依然としてこのクルマの長所ではあるけれど、これまでのマツダ6と比較すると、わずかながらにドライビングファンの度合いは薄れていると感じた。

■「買い」か?

ハンサムなマツダ6の待望ののアップデートではあったけれど、結果的には不満の列挙で締めくくることになってしまった。

新しいナビゲーションやマルチメディア・システム、インテリアの質感の底上げは、これまでから大きく飛躍している点のひとつだ。

また、広範囲におよぶ充実した装備や、スペックの高さは個人所有を考える人のみでなく、社用車として考えている向きにも確実に響くことになるだろう。

それだけに、精彩を欠くハンドリングは見過ごせない。乗り心地は良くなっているのだから、次はマツダならではのドライバーを楽しませる ’仕掛け’ にも期待したい。

(マット・ソーンダース)

マツダ6ツアラー2.2D 150 SE-L

価格 £25,995(473万円)
最高速度 202km/h
0-100km/h加速 10.0秒
燃費 20.4km/ℓ
CO2排出量 129g/km
乾燥重量 1604kg
エンジン 直列4気筒2191ccターボ・ディーゼル
最高出力 150ps/4500rpm
最大トルク 38.7kg-m/2600rpm
ギアボックス 6速オートマティック

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