自動車業界の歴史に残る失敗作 55選(後編) 2001年~2015年
公開 : 2025.02.01 18:45 更新 : 2025.02.03 10:43
デザインや性能が良くても、必ずしもヒット商品になるとは限らない。デロリアン、サンヨン・コランド、サーブ9-7xなど、さまざまな理由から「売れなかった」クルマを年代順に紹介していく。
もくじ
ーレクサスSC 430 - 2001年
ールノー・アヴァンタイム - 2001年
ーメルセデス・ベンツ・バネオ - 2002年
ークライスラー・クロスファイア - 2003年
ープジョー1007 - 2004年
ーサーブ9-7X - 2004年
ーシトロエンC6 - 2005年
ースバルB9トライベッカ - 2005年
ーロータス・ヨーロッパS - 2006年
ーアプテラ・モーターズ2e - 2008年
ーテスラ・ロードスター - 2008年
ータタ・ナノ - 2008年
ーアキュラZDX - 2009年
ーサーブ9-5 - 2010年
ー日産ムラーノ・クロスカブリオレ - 2011年
ーミニ・ペースマン - 2012年
ークライスラー200 - 2010年
ーゼノスE10 - 2015年
レクサスSC 430 – 2001年
(翻訳者注:この記事は「後編」です。前編と中編もあわせてお楽しみください)
レクサスSC 430は、コンセプトの「スポーツクーペ」と4.3L V8エンジンからその名が付けられた。メルセデス・ベンツSLのライバルとして売り出され、電動格納式の金属製ルーフは、同年に登場した新型SLと同様の機構であった。スタイリングは、高級ヨットからインスピレーションを得たと言われる。

名目上は4人乗りだが、後席が狭く、実際には2人乗りだ。装備は非常に充実しており、当時の基準としては何ら不足するものはなかった。しかし、SC 430は他のレクサス車ほどの魅力はなく、9年間で7万2000台を販売したにとどまる。これは同期間のメルセデス・ベンツSL(16万9434台)の半分以下であった。
ルノー・アヴァンタイム – 2001年
パトリック・ルケマンがデザインしたルノー・アヴァンタイムは非常に大胆で、多くの人を魅了した。しかし、残念ながら購入にまで至る人はほとんどおらず、2003年に生産終了となり、販売台数はわずか8500台にとどまる。これにはさまざまな理由があるが、ルノーが同車をBMWやメルセデスなどの高級クーペのライバルとして位置づけたことが、その一因であることは間違いない。
アヴァンタイムの後部座席は4人乗りとしては不十分で、乗り降りも簡単ではなかった。ドアは非常に長く、開閉するだけでも一苦労だ。また、ミニバンのエスパスのシャシーをベースにしたため、いくらクーペボディを載せてもハンドリングの面ではあまり良い結果は得られなかった。そして、マトラが自動車製造から撤退してアヴァンタイムを作る工場がなくなったことが、トドメの一撃となった。

メルセデス・ベンツ・バネオ – 2002年
小型ハッチバックのAクラスの販売成功を受け、メルセデス・ベンツはミニバンタイプの派生モデルを開発した。当時、競合他社の多くがハッチバックベースのミニバンを投入しており、その代表例であるメガーヌ・セニックは販売チャートで上位にランクインしていた。では、新型バネオはどうだろうか? 英語圏では「バン(Van)」という語を含む名称が足を引っ張り、Aクラスをひどくいじったようなスタイルも受け入れられなかった。
バネオの実用性については疑いの余地がなく、Aクラスと同じようにさまざまなエンジンが用意されていた。しかし、よりスタイリッシュなミニバンが次々と登場したため、客足は遠のき、販売台数は3年間で4万6347台にとどまった。

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