【ジムニー・ノマドのデザインを深掘り】デザイナーが語る、5ドア化でも継承したジムニーらしさ!
公開 : 2025.02.03 11:45 更新 : 2025.02.06 11:16
1月30日、かねてから日本デビューが待ち望まれていたスズキ・ジムニーの5ドア版『ジムニー・ノマド』が発表されました。事前撮影会で担当者の話を伺うことができたので、デザインについて篠原政明が詳しくご紹介します。
ジムニー5ドア版『ノマド』の注目点はスタイリング
1月30日、かねてから日本デビューが待ち望まれていたスズキ・ジムニーの5ドア版『ジムニー・ノマド(JIMNY NOMADE)』が発表された。発表前の事前撮影会で担当者の話を伺うことができたので、そのデザインについてご紹介したい。
ついに日本でも発売された、ジムニーの5ドア版『ジムニー・ノマド』(以下ノマド)。ベース車は乗用車登録3ドアのジムニー・シエラ(以下シエラ)であり、したがってパワートレーンなどはスペックも含めてシエラと共通。注目すべきは、やはり5ドア化されたスタイリングだろう。

そこで事前撮影会では、スズキ商品企画本部でエクステリアデザインを担当した四輪デザイン部デザイン企画課の主幹である松島久記(まつしまひさのり)氏と、インテリアのデザインを担当したインテリア課課長の林田崇(はやしだ たかし)氏に話を伺った。
ボディの延長分340mmは絶妙の長さ
ジムニーの5ドア版は、以前のモデルから要望はあったという。だが、さまざまな事情でなかなか実現には至らなかった。今回のノマドにしても、3ドア版との同時開発ではなく、3ドアの開発が終了してからプロジェクトが立ち上がったそうだ。
ちなみに、ノマドのデザインを担当したのは松島氏だが、3ドア版は別のデザイナーが担当している。ノマドをデザインするにあたって、シエラと差別化する(フロントマスクを別デザインにするなど)考えもあったが、ジムニーらしさを継承するということもあり、若干の意匠変更はあるものの、現行ジムニー共通の顔つきをはじめとした『ジムニーらしさ』はそのまま継承されている。

5ドア化するにあたって、キモとなったのはボディサイズをどれだけ延長するかであった。3ドアと同じ全長で5ドア化は無理。かといって、ホイールベースや全長を伸ばしすぎるとクルマは大きく重くなり、ジムニーの魅力である走破性などがスポイルされる。
そうして導き出されたサイズが、340mmのホイールベース延長だった。これはジムニーの機能を保ったままロングホイールベース化できるギリギリのサイズで、それはつまりリアドアの乗降性をギリギリまで詰めたサイズでもある。
リアシートのレッグスペースは50mm、ラゲッジスペースは290mm拡大
したがってサイドビューを見ると、フロントドア(これも3ドアよりは短くなっている)に比べてリアドアはかなり短い。それでも、スズキ車に共通の90度近い開口角度やリアシート角のカットなどの採用により、乗降性に問題なく仕上げられている。
ちなみに、延長された340mmにより、リアシートのレッグスペースは50mm、ラゲッジスペースは290mm拡大された。
外観上での識別点としては、3ドアではブラックだったグリルの色をガンメタリックとし、5スロットの周囲はメッキで上級感を出している。これも形状は同じで色を変えただけかと思われたが、じつはスロットの形状など意匠は微妙に違う。ただし、灯火類は共通なので、3ドアに装着することもできる。つまり、シエラや軽のジムニー・オーナーが『ノマド風』にドレスアップしたいという要望にも応えてくれるわけだ。
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