【ジムニー・ノマドのデザインを深掘り】デザイナーが語る、5ドア化でも継承したジムニーらしさ!

公開 : 2025.02.03 11:45

インテリアのデザインも機能を表現

ロングボディ化されたエクステリアに対し、インテリア、特にコクピットは大きく変わってはいない。5ドアとなったのでリアサイドドア用のパワーウインドウスイッチがパーキングブレーキレバーの脇に装着されたくらいだ。この位置は3ドアでは小物入れスペースになっており、まさに絶妙な場所だったという。

最大の変更点はリアシートだ。3ドアではプラス2に近かった居住性は大きく改善され、大人ふたりが普通に座れる。なお、室内のサイズ(特に幅)は基本的に軽のジムニーと変わっていないから、ノマドのリアシートもふたり掛けで乗車定員は4名となっている。

ロングボディ化されたエクステリアに対し、コクピットは大きく変わっていない。
ロングボディ化されたエクステリアに対し、コクピットは大きく変わっていない。    田中秀宣

1段階(約4度)のリクライニング調整機能付きで、シートクッション厚も確保し、乗り心地や座り心地を向上させている。それゆえ、リアシートバックを倒したときにラゲッジフロアとフラットにはならないが、どちらを優先するかとなったときに、やはりリアシートの居住性を重視した結果であるという。なお、オプションの荷室ボックスを装着すれば、リアシートを倒してフラットなラゲッジスペースにすることができる。

定評ある走破性や機能性に、上質感をプラス

ウインドウの映り込みを減らすブラックのインテリア、悪路走行でもクルマの状態を把握しやすい水平基調のインパネ、機能部品はメッキやシルバーで明確に配色、シートの素材などは機能や実用性を感じさせるファブリックを採用するなど、機能を重視したインテリアのデザインは3ドアから変わらない。

また、インパネアッパー部とグラブバー/ドアグリップでは2種のシボを使い分け、耐傷つき性や汚れ除去性を考慮している。このシボのデザインは、プロも使用するような高級一眼レフカメラのシボを参考にしているという。

メーターまわりなどでは材料着色樹脂ヘアライン仕上げを採用しており、これも反射をおさえるとともに高質感をもたらしている。

定評ある走破性や機能性に、5ドア化に伴い上質感をプラスしたジムニー・ノマド。今までジムニーに興味はあったが、日常的に使うにはちょっと……と躊躇していたユーザー予備軍も、このノマドの投入で触手を伸ばすことは間違いない。ラフロードはもちろん都会でも、ジムニー・ノマドの姿を見かける機会は多くなっていきそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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