【電気主体のPHEVシステムがさらに進化】三菱アウトランダーPHEVは、高まった走りの質感にも注目!

公開 : 2025.02.06 11:45  更新 : 2025.02.06 13:43

三菱のフラッグシップSUV『アウトランダーPHEV』がマイナーチェンジを受けました。今回から加わった最上級グレード、『Pエグゼクティブ・パッケージ』を試乗した吉田拓生が、その第一印象をレポートします。

見た目の変更は少なめ、でも質感は高め

マイナーチェンジを受け新型となった『三菱アウトランダーPHEV』。そのグレード構成はベーシックなMからGとPと続き、今回から最上級グレード『Pエグゼクティブ・パッケージ』がラインナップに加わっている。

M以外は5人乗りと7人乗りが選べるようになっており、今回試乗できた個体も、セミアニリンレザーのシートが高級感を漂わせる3列シート、7人乗りのPエグゼクティブ・パッケージだった。昨年10月末に受注がはじまって以来、52%のシェアを占める(取材時)人気グレードである。

試乗車はセミアニリンレザーのシートが高級感を漂わせる3列シート、7人乗りのPエグゼクティブ・パッケージ。
試乗車はセミアニリンレザーのシートが高級感を漂わせる3列シート、7人乗りのPエグゼクティブ・パッケージ。    神村聖

もともと完成されたイメージを纏っていた外観は、グリルとホイールが変更された程度なのであまり変わった感じはしない。室内も前期型の意匠を踏襲しているはずだが、乗り込んでみると上質な感じが伝わってきた。

シートに使用されているセミアニリンレザーや、そこに配されたダイヤモンドステッチは以前からあったが、ブリックブラウンという内装色が室内の雰囲気を引き立たせているのだ。ダッシュパネルやドアインナーも一部にブリックブラウンの素材が使われ、黒一色の内装よりもはるかにコストが掛かっているように感じられる。室内で実際に変更されたポイントは、以前は9インチだったモニターが12.3インチになったことが最大の違いだ。

スタートボタンを押すとエンジンは掛からず、ただメーターパネル内にグリーンでREADYの文字が灯る。EV走行のみでは70km(メーターは80%あたり)、ハイブリッドでは378kmの走行が可能という表示を確認し、走りはじめてみた。

EVの長所、エンジンがバックアップ

シフトレバーでDを選び、シフト左脇にあるEVボタンを押してEVプライオリティモードで静かに走り出す。このボタンでバッテリーをセーブしたりチャージしたりという設定ができるのだ。タウンスピードではギュッと引き締まったボディとしなやかなアシ、厚みのあるシートによっていかにも高級車然としたドライブフィールを味わえる。

EV関係のモードとドライブモードが別々になっていて、走行状況に合わせて細かく選ぶのは少し慣れが必要。とはいえどちらものNORMALモードのままで走っても、ほとんどの場合は問題ないだろう。ちなみにドライブモードにはなんと7つもモードが用意されている。ECOやGRAVEL、SNOWは一般的だが、POWERは珍しく、TARMACがあるあたりは『ラリー=三菱』のイメージが感じられていい。

引き締まったボディとしなやかなアシ、厚みのあるシートでいかにも高級車然としたドライブフィール。
引き締まったボディとしなやかなアシ、厚みのあるシートでいかにも高級車然としたドライブフィール。    神村聖

またダイヤル中央にはヒルディゼントのスイッチも備わっており、走る場所を選ばないSUVであることを再認識させられる。例えばスキーで雪山に行く時などは、BEVだと寒さで航続距離が減ってしまいそうなものだが、アウトランダーPHEVの場合、そこはエンジンのバックアップがあって心強い。

モーターによる最高出力はフロントが116psでリアが136ps。とはいえリア偏重でもなく、スロットル操作に対して4輪へきれいにパワーが入る感覚がある。乗り心地もキレイに角がとれていて、パワートレインの躾けも上々だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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