【電気主体のPHEVシステムがさらに進化】三菱アウトランダーPHEVは、高まった走りの質感にも注目!

公開 : 2025.02.06 11:45  更新 : 2025.02.06 13:43

さらに完成度を高めた実用車の最適解

有料道路に入りスロットルを深く踏み込むと力強い加速がはじまるが、風切り音もほとんどなく、静寂が保たれている。左に電力関係、右が速度になったメーターは慣れてくると表示も大きくわかりやすいと思えてきた。

一方、ダッシュ中央のモニターはサイズこそ大きくなっているが、操作系は物理スイッチが主体となっており扱いやすかった。特にステアリングの右スポーク上のスイッチで操作するマイパイロット(ACC+レーンキープアシスト)は、スイッチが扱いやすいだけでなく、メーターパネル中央に表示される作動状態の表示もわかりやすくできている。

アウトランダーPHEVのアシは電子制御可変式ではないが、あらゆる走行条件を広くカバーできている。
アウトランダーPHEVのアシは電子制御可変式ではないが、あらゆる走行条件を広くカバーできている。    神村聖

ADASを解除して高速道路を走っているといつの間にかエンジンが掛かっていた。速度の変化に合わせるようにエンジンの回転が変わるので、良い意味でその存在を看破しにくいのだ。シリーズハイブリッド車ではゆっくり走っていてもエンジンが唸っているシチュエーションが珍しくないが、アウトランダーPHEVはそれがない。

大磯をスタートして西湘バイパスを抜け、ターンパイクを駆け上がって大観山に到着。この時のEVの航続可能距離は25%、ハイブリッドの航続距離は335kmと出ていた。けっこうな高低差だが、62kmを走行して43km分の航続距離が減った計算になる。

また、このクラスの輸入車だとダンパーが電子制御可変式になり、価格的にも高くなるはずだが、アウトランダーPHEVのアシはそういったシステムなしに、あらゆる走行条件を広くカバーできている点も優れていた。

ドライバビリティもパワートレインもちゃんと刷新され、見た目の質感も高まっているアウトランダーPHEV。三菱のフラッグシップモデルは、再び時代に先んじた仕上がりになっていたのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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