フルハイブリッドに賭けるルノー PHEV拡大せず 次期ルーテシアは電動化?

公開 : 2025.02.04 06:45

ルーテシアの次世代モデルはどうなる?

では、電動化されていない純エンジン車の生産は終了するのかという質問に対して、カンボリーヴ氏は「市場次第だ」と答えた。

「もちろん、欧州では、多くの国で内燃機関が使われている。短期的には、ハイブリッド車と純粋なBEVに焦点が当てられるだろう」

ラファールEテック4x4 300hpのパワートレイン
ラファールEテック4×4 300hpのパワートレイン    ルノー

主力モデルの1つであるクリオ(日本名:ルーテシア)は、2026年にフルモデルチェンジが見込まれているが、純粋なガソリンエンジンを残すのかどうかは疑問だ。

カンボリーヴ氏によると、バッテリー価格の下落や、純エンジン車に対する課税額の増加、中古車価格の格差拡大によって、Bセグメント車のハイブリッド化が今後さらに注目されるという。

車両価値の推移について、英国の自動車評価機関Cap HPIが興味深いデータを示している。現在、英国で販売されているクリオ・ハイブリッドのテクノグレードの新車価格は2万3075ポンド(約440万円)で、4年落ち、7万7000km走行時点での価値は9200ポンド(約175万円)と予測されている。これは60%の価値下落に相当する。一方、グレードの近い純ガソリンエンジン車は、1万9920ポンド(約380万円)の新車価格から、62%減の7650ポンド(約145万円)まで下がる見通しだ。

カンボリーヴ氏は、この格差が今後数年間で影響力を強めていくと示唆した。「過去2、3年でその差が広がっていることがわかるだろう」

それでも、クリオは依然として英国で最も売れているルノー車であり、昨年英国で販売された約1万7500台のうち、8000台以上がガソリンエンジン車であった。いずれも重要なモデルであることに変わりはない。

新型クリオは、現行モデルをベースとする大幅改良バージョンとなる見込みであるため、技術的には今のパワートレインを引き継ぐことはできそうだ。しかし、ルノーは詳しい製品計画については口を閉ざしている。

記事に関わった人々

  • フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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