キャデラックCTSプレミアム雪上試乗
公開 : 2015.02.13 23:30 更新 : 2017.05.29 18:32
4WDであることもあって、今回のような過酷な雪道でとくに気づかいせずに運転しても、トラクション・コントロールがあまり介入してこない。弟分のATSでは良くも悪くも少しばかりヤンチャなパワフルさが目立つの2.0ℓターボは、CTSでこそちょうどバランスする印象。以前の経験でいうとオンロードでも痛痒感を抱くことも微塵もないし、ヌケのよい心地よい音質でありつつも、CTSでは静粛性や加速感も上品で高級車らしい。
今回はスタッドレス・タイヤを履いての雪上試乗であったうえに、取材当日は凍結路面上に新雪が積もる状況。雪道ドライブの練習にはうってつけの最も過酷なコンディションだったが、CTSプレミアム本来の動力性能や乗り味を試すことはできなかった。
キャデラックの4WDシステムは、完全FRからフルロックまで自在に制御するオンデマンド型をうたっているが、今回のコンディションでも姿勢をなかなか崩せないところ見ると、スロットルや車速、舵角などから、クルマが少しでも動いていればなにかしら4WD状態になっていると思われる。いかにも現代風の制御である。
現在のキャデラックは作りこみも丁寧。ピアノブラック調にカラフルなLEDを散りばめるセンスは、競合するドイツ勢とはちょっとセンスが異なり、伝統的高級感を好む向きには安っぽく映るかもしれないが、スマホやタブレット端末を難なく使いこなす人たちには親和性がありそうだ。電動リッドのなかにスマホを放り込むだけで、すべて連動してくれる独自のインフォテイメント装備も、一度使うと “これなしのクルマはいやだ” と依存体質になってしまうタイプ。自動ブレーキや全車速レーダー・クルーズ・コントロールを含めたアドバンスト・セーフティ装備もスキはない。