プレミアム・ラグジュアリーへ回帰 メルセデスAMG CLE 53 長期テスト(1) 肉肉しいマッスルカー
公開 : 2025.02.22 09:45 更新 : 2025.04.11 08:26
クラシカルなクーペ・シルエットが麗しい、ハイテク満載のAMG CLE プレミアム・ラグジュアリーへの回帰を感じる雰囲気 肉肉しいマッスルカー的走り 英編集部が長期テストで魅力を深掘り
初回 CクラスとEクラスのクーペを融合
メルセデス・ベンツのモデルラインナップは、更新が激しい。ここ数年は、エンジンで走る従来の選択肢が削減されつつ、新モデルが追加され続けている。自動車市場の変化を表すように。
Cクラスのクーペと、Eクラスのクーペも、その一環として消滅した。そのかわり、2種の中間に相当する、CLEクーペが追加された。カブリオレも。

実質的には、CLEはEクラス側へ近く、価格もそれに応じている。パワートレインは、4気筒ガソリンに直列6気筒ガソリン、プラグイン・ハイブリッドなど多彩。市場によっては、ディーゼルも用意されている。
CLEの頂点に、AMGが君臨するのは従来どおり。最強版の63と、穏やかな43の間にあるのが、今回長期テストでやってきた53だ。2000rpmで449psの最高出力を発揮するから、真ん中でも、まったくもって不満はなさそうに思えるが。
動力性能的には、BMW M4 コンペティションがCLE 63と対峙する位置付けといえる。53は、標準のM4の競合といえるものの、英国市場には導入されていない。一方でボディサイズはだいぶ大きく、M8に迫る。
エンジンは、3.0L直列6気筒ターボチャージャー+電動コンプレッサー+ISGという構成。四輪駆動で、9速ATが組み合わされている。快適装備も満載。パワフルでコンフォートなクーペだ。
プレミアム・ラグジュアリーへの回帰
AMG CLE 53の英国価格は、7万8825ポンド(約1537万円)から。長期テスト車は、ナイトエディション・プレミアムプラスというグレードで、8万1445ポンド(約1588万円)。英国ポンドのインフレ率の高さに、頭が痛くなる。
後輪操舵システムやアダプティブ・スポーツサス、運転支援システム、MBUXインフォテインメント・システムなどは標準装備。ナイトエディション・プレミアムプラスでは、ブルメスター社製の3Dオーディオシステムに、マッサージシートなどが追加される。

さらに7500ポンド(約146万円)を上乗せし、プロパフォーマンス・パッケージを指定すれば、バケットシートとカーボンファイバー製トリムなども得られる。ドライブモードには、レースが加わる。
メルセデス・ベンツは、Aクラスのようなコンパクトカーから距離を置きつつある。現CEOのオラ・ケレニウス氏は、「プレミアム・ラグジュアリー・カーメーカー」へ回帰する過程にあるという。
CLEからも、その傾向は感じ取れる。ベントレーほどではないものの、4シリーズよりは間違いなく高級だろう。フォルクスワーゲンは、対峙するクーペを有していない。
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