思わず商談進めちゃう? シトロエンC3 エアクロス HVへ試乗 7シーターで4.4mの新クロスオーバー

公開 : 2025.02.19 19:05

英国のクラス最安値といえる新型クロスオーバーのC3 エアクロス HV 見やすい位置のメーター用モニター 7シーターも選択可 加速はおっとり気味 乗り心地は良好 英編集部が評価

英国でクラス最安値の小型クロスオーバー

ハッチバックのシトロエンC3が、お手頃な4代目へモデルチェンジしたことはご存知の通り。そして、そのお兄ちゃん的存在といえる、C3 エアクロスも刷新された。ディーラーへ見に行きたくなるお値段を受け継ぎつつ、商談を進めたくなる実用性も得ている。

新しいC3 エアクロスの英国価格は、実に2万ポンド(約390万円)を僅かに上回るだけ。日本では馴染みが薄いが、ベーシックなダチア・ダスターは更に2000ポンド(約39万円)ほど下回るものの、これを除いてクラス最安値といっていい。

シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド136PS マックス(欧州仕様)
シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド136PS マックス(欧州仕様)

試乗車だった充実装備のマックス・グレードでも、2万6625ポンド(約519万円)。恐らく、これが英国では主力になるだろう。

このお値段を実現させたのが、ステランティス・グループがローコストを前提に開発した、スマートカー・アーキテクチャ。内燃エンジンと電気モーター、両方のパワートレインに対応することが強みで、前者を積むC3と後者のe-C3、2種類のエアクロスがある。

7シーターも選択可 加速はおっとり気味

C3 エアクロスの主な動力源は、ステランティスグループで幅広く活躍している、1.2L 3気筒ガソリンターボのピュアテック・ユニット。これは、通常のC3とも共有する。

最高出力は2段階あり、6速MTが組まれる非ハイブリッドの100psと、駆動用モーターを内蔵した6速デュアルクラッチATが組まれる、ハイブリッドの135psから選べる。定員は前者で5名だが、後者では7名も選べる。

シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド136PS マックス(欧州仕様)
シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド136PS マックス(欧州仕様)

低速域では、短距離なら電気だけで走行可能。更にパワーを求めると、駆動用モーターからガソリンエンジンへ主役は交代する。シームレスとはいえないが、気になるほどではなかった。ドライブモードの選択肢はなく、回生ブレーキの強さは変えられない。

動力性能は、このクラスのクロスオーバーとしては充分。アクセルレスポンスはおっとり気味で、ギア比がロングなため、活発な印象は得にくい。キックダウンの反応は、もう少し素早くてもいいだろう。0-100km/h加速は、10.1秒がうたわれる。

もっともシトロエンは、このクラスのクロスオーバーを検討するユーザーは、パワフルさよりファッション性を重視すると話す。確かに、先代から大幅にイメチェン。デザインをまとめたピエール・ルクレール氏は、従来とは異なる潮流をもたらしたと話す。

見やすいメーター用モニター 内装は価格なり

インテリアも新しい。中心に10.25インチのタッチモニターが据えられたダッシュボードは、上下2段に分割された大胆な造形。ステアリングホイールのリムは、かなり四角形に近い。

メーター用モニターは、ドライバー正面の上段。スリムなエリアへ、スピードなどがシンプルに表示される。かつてのC4ピカソにも通じるデザインで、運転中の視線移動を小さく抑えられ、プジョーのi-コクピット・レイアウトより見やすいと感じた。

シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド136PS マックス(欧州仕様)
シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド136PS マックス(欧州仕様)

一方で、デジタル技術的には最新感が薄いかも。ラジオの音量を調整するのにも、タッチモニターへ触れる必要があるのは、望ましいとはいいにくいだろう。

エアコンや制限速度警告機能などには、実際に押せるハードスイッチが与えられている。オーディオにも、ボリュームノブくらいは残せたのではないだろうか。

お手頃価格を少し実感させるのが、内装の質感。プラスティック製であることを隠さない。それでも、ダッシュボードにはクロスが張られ、アンビエントライトも仕込まれている。 「be cool」「have fun」といったキーワードが、各部に散りばめられてもいる。

シートは、C3と同じアドバンスド・コンフォートと呼ばれる新アイテム。長距離移動でも疲れは少なそうだが、上位グレードでも助手席側は座面高を変更できない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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