クラス最安値の個性派 シトロエンe-C3 エアクロスへ試乗 デザイン以上の頭1つ抜けた魅力

公開 : 2025.02.23 19:05

クラス最安値といえる電動クロスオーバー、e-C3 エアクロス登場 ローコストを補う内装のデザイン的な工夫 航続距離は299km 穏やかな加速に快適な乗り心地 英編集部が評価

クラス最安値といえる電動クロスオーバー

歴史的に、シトロエンの強みの1つとなってきたのが、価格の安さ。それは、最新の電動ファミリー・クロスオーバー、e-C3 エアクロスにもしっかり受け継がれている。英国では、2万2990ポンド(約448万円)から提供が始まった。

ガソリンエンジン版のC3 エアクロスと比べても、2500ポンド(約49万円)高いだけ。このセグメントでは、最安値といっていい。そんなお手頃さを叶えているのが、コスパに優れた新しいスマートカー・アーキテクチャだ。

シトロエンe-C3 エアクロス・マックス(欧州仕様)
シトロエンe-C3 エアクロス・マックス(欧州仕様)

トリムグレードは、プラスとマックスの2段階。後者は2000ポンド(約39万円)増しとなるが、シートヒーターやスマホのワイヤレス充電パッド、デジタルラジオなど、贅沢装備が追加される。

e-C3 エアクロスの見た目は、C3 エアクロスとほぼ同一。デザインチームを率いたピエール・ルクレール氏は、まっさらな状態からデザインしたと主張する。このセグメントへ、新たな風を吹き込むことが狙われたという。

ヘッドライトは四角く、上下左右を細身のデイライトが覆う。フロントノーズも、下顎が出たような形状でオシが強く、サイド面には大胆なラインが施されている。特徴的で、充分な訴求力があると思う。新しいシトロエンのロゴは、高級感を与えている。

ローコストを補う内装のデザイン的工夫

インテリアも、C3 エアクロスと変わらない。個性的なスタイリングを反映するように、ダッシュボードは上下に二分割され、その中央へ10.25インチのタッチモニターが鎮座している。

お値段なりにプラスティックそのままの内装部品は多いものの、デザイン的な工夫によって視覚的には好印象。ダッシュボードには、ソファに用いられるようなざっくりとしたクロスが貼られ、アンビエントライトも備わる。

シトロエンe-C3 エアクロス・マックス(欧州仕様)
シトロエンe-C3 エアクロス・マックス(欧州仕様)

タッチモニターで稼働するインフォテインメント・システムは、操作性に優れるわけではなく、新しい印象は受けにくい。エアコンには実際に押せるハードスイッチがあるのに、オーディオにはボリューム・ノブがない。

メーター用モニターは、ドライバー正面の奥の方にあり、運転中の視線移動を小さく抑えている。位置が高く、リムが四角いステアリングホイールの上から良く見える。

シートは、新デザインのアドバンスド・コンフォート。サポート性に優れ、長距離でも疲れにくそうだ。ちなみに助手席側は、座面の高さを変更できない。またC3 エアクロスでは3列シートも指定できるが、e-C3 エアクロスでは2列のみとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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