【今や貴重なミドルサイズワゴン】8.5世代に進化!フォルクスワーゲン・ゴルフ・ヴァリアントはディーゼルで乗りたい

公開 : 2025.02.08 07:05

今や貴重なミドルサイズのワゴンとして

高速走行でのエンジン回転数は、7速DCTは80km/hでは7速に入らず6速で1500rpm弱、100km/hでは7速で1500rpm弱といったところ(タコメーターは細かく表示しないので)。同一車線内全車速運転支援システム、『トラベルアシスト』の作動も的確だ。

ゴルフも代を重ねるごとにサイズアップし、いまや全幅は1.9m近くなってしまったが、視界は良いので街中の狭い道などでも運転はしやすい。それでも、これ以上サイズアップ(特に車幅)して欲しくないと思っている日本のユーザーは多いのではないだろうか。

いまや選択肢が少なくなったミドルサイズのワゴンとしてオススメできる1台だ。
いまや選択肢が少なくなったミドルサイズのワゴンとしてオススメできる1台だ。    田中秀宣

ドライブモードは、日常的に使うなら『コンフォート』で問題ない。『エコ』でも発進加速などに少し差は感じるが、大きくは違わない。それでもコースティングに入るのが速く、アクセルペダルを戻すと空走感が強くなる。

『スポーツ』でDCTは高回転まで引っぱり、エンジン音も変わって元気に走る。ヴァリアントでワインディングロード走行を楽しむ人は少ないだろうけれど、ステアリングホイールのパドルを駆使すれば思った以上に走ってくれるのは、さすがゴルフといったところだ。

今回、約180km(市街地が4割、高速が6割くらい)を走行して、平均燃費計は20km/L(VW車の平均燃費計は20km/L以上では小数点以下を表示しない)を記録。特にエコランなどはせず、撮影のための移動も含めてWLTCモードに近い燃費を達成したのはたいしたものだ。

通常で380L、リアシートバックを全倒すれば最大1237Lにもなるラゲッジスペースは2段式のフロアやトノカバーにカーゴネットも備え、ワゴンとしての使い勝手の高さはさすが。もっとも、このあたりは日本のRVをかなり意識しているようだ。

進化したゴルフに使い勝手の高いラゲッジスペースを備え、ディーゼルターボで高速ツアラーにも最適なゴルフ・ヴァリアントTDIは、いまや選択肢が少なくなったミドルサイズのワゴンとしてオススメできる1台だ。市街地ユースが多いならRラインでなくてもいい。また今回は試せなかったが、48VマイルドハイブリッドのeTSIも、いずれ試してみたいものだ。

フォルクスワーゲン・ゴルフ・ヴァリアントTDI Rライン主要諸元

●全長×全幅×全高:4460×1790×1485mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1510kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼル+ターボ
●総排気量:1968cc
●最高出力:110kW(150ps)/3000-4200rpm
●最大トルク:360Nm(36.7kgm)/1600-2750rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:軽油・51L
●WLTCモード燃費:20.1km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●車両価格:485万6000円

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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