フォルクスワーゲン・シロッコR

公開 : 2015.02.17 23:50  更新 : 2017.05.29 18:57

■どんな感じ?

正直に言おう。実際に乗ってみたところ、ルックスや数値以上に優秀ではあるけれど、とても退屈だ。

特にそのステアリング。たしかにクイックで正確であることは間違いないけれど、常に重ったるくフィードバックに欠けている。

またハードに攻め込めばアンダーステアに陥りやすい。前輪の姿勢がつかみにくく、結果的に神経が通っていない感覚をおぼえ、そしてつまらなく感じる、

そのうえ、ここ最近のモデルが組み合わせるエンジンほどのレスポンスは期待できない。ガス・ペダルを踏み込んでから、実際にパワーが流れこむまでにタイム・ラグが生じるのも不満を覚える一因となっている。

ようやくパワーを得たと感じれば、こんどはフロント・タイヤの接地感の希薄さが不安を助長する。これだけに終わらずデュアル・クラッチ・ギアボックスは期待するほど素早くなく、また熟達しているとはいえない。

また、フォルクスワーゲンの掲げるシロッコRの0-100km/hタイムは5.5秒ということになっているけれど、われわれの実測値では最短でも6.0秒にとどまった。

アウディTTよりも勇ましいエグゾースト・ノートには好感はもてるけれど、高速巡航時も比較的うるさいため癇にさわることが多々あった。

しかし内装は、今となっては時代遅れに感じなくもないが、スペースやドライビング・ポジションは相変わらず運転好きのドライバーに響くものはある。

なかでもハイトとリーチが調整できるステアリング・コラムはありがたい。また2人の大人が快適に座れる後席スペースもシロッコの強みといえる。

価格に対する装備は他ライバルとくらべて充実している。左右独立式のオート・エアコンや衛星ナビゲーション、パーキング・センサー、DABラジオ、ヒーターつき電動ミラーなどがその例だ。

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