最後まで魅了されっぱなし アルファ・ロメオ・ジュリアQV 長期テスト(最終) 夢心地を覚ます警告灯
公開 : 2025.03.08 09:45
500馬力超えのイタリアン・スーパーサルーン、ジュリアQV フェラーリのV8と関係が深いV6エンジン 値段に相応しい体験か? 普段使いとの適合性は? 英編集部が長期テストで魅力を深掘り
もくじ
ー積算1万5166km 適度な大きさで実用性も悪くない
ー積算1万5178km 500馬力を誇るスーパーサルーン
ー夢心地の運転体験を妨げた警告灯
ー美しく快適 最後まで魅了されっぱなし
ーセカンドオピニオン
ーテストデータ
積算1万5166km 適度な大きさで実用性も悪くない
アルファ・ロメオの典型的な話題といえば、爽快な走りや美しいスタイリングに、ちょっとした不調が主なところ。ジュリア・クアドリフォリオも同様といえる。しかし、実用性にも触れておこう。
沢山のプレゼントを含む、週末の買い物の荷物を丸っとトランクへ詰め込むことができる。しかも適度な大きさで、駐車場の枠へ簡単に収まる。フォルクスワーゲン・マルチバン並みの使い勝手、というのは、いい過ぎかもしれないけれど。

積算1万5178km 500馬力を誇るスーパーサルーン
高性能なアルファ・ロメオには、何かつまらない弱点があるという、イタリア車好きが共有するイメージは変わらないのだろうか。500馬力を誇るスーパーサルーンを欲した時、ドイツ勢ではなく、イタリアンなジュリアを選ぶことは妥当といえるだろうか。
そんなことを考えつつ、長期テストがスタートしたのは数か月前。2.9L V型6気筒エンジンは、豪快にグレートブリテン島の景色へ共鳴した。アルピーヌA110とマセラティMC20との比較試乗では、このクルマが素晴らしいトリオを構成したこともあった。

グレートブリテン南西部、ウェールズ地方へ向かうドライブは素晴らしい思い出を生んだ。ダイレクトでタイトなステアリングと、優しく路面を掴み続けるサスペンション。最高の時間を過ごさせていただいた。
夢心地の運転体験を妨げた警告灯
そんなジュリア・クアドリフォリオとの夢心地は、複数の警告灯で妨げられることに。ところが、顔を青ざめさせている内に消灯。結局は、問題なく自宅へ辿り着けたけれど。
翌週は、同僚のジャック・ウォリックへ2週間ほど貸し出した。伸びない燃費には、少しうんざりしたらしい。そして、アルファ・ロメオは、再び調子が悪くなった。

症状的には、筆者がウェールズ地方で直面したものと同じ。しかし翌朝、補機バッテリーは完全に上がっていたという。ロードサービスを呼び、エンジンを始動。ロンドンまで自走し、AUTOCAR編集部の駐車場へ帰ってきた。
これは蛇足だが、長期テストの期間中には、ナンバープレートが偽装されて使われるというトラブルもあった。犯人のフェイスリフト前のジュリア・クアドリフォリオへ貼られ、ロンドンを走り、駐車違反や禁止エリアへの侵入を繰り返していたことが判明している。
一方で、こちらのジュリア・クアドリフォリオはソフトウエアをリセット。警告灯の問題は、一時的に解消した。1か月ほど問題なく動くことを確認した頃、同僚のクリス・カルマーが借りていった。
彼が乗り始めると、サイドブレーキが不調に。そうこうしている内に、長期テストの期間は終了。アルファ・ロメオへ、クルマを戻す時がやって来た。
トヨタ・カローラの所有体験とは、まったく違うといわざるを得ない。それでも、筆者はこのイタリアン・スーパーサルーンを酷く気に入っている。唯一と思えるほど、特別なクルマだ。
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