【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も

公開 : 2025.02.15 20:25  更新 : 2025.02.21 05:08

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

プジョーはコンセプトカーの雰囲気を、3008と5008にうまく活かした。小径ステアリングホイール、フローティング式のワイド画面、高さのあるセンターコンソール、おもしろみのあるマテリアルやファブリックの使い方が、本当にスペシャルな雰囲気をもたらしている。

低く設置された小径ステアリングホイールは、いまだに見慣れない感じがあるものの、初期のプジョーよりは問題が解決されている。メーターパネルの位置が高くなったからだ。クッションの角度調整が必要な場合は、1100ポンド(約21万円)のレザーシートを選ぶしかない。

ディスプレイとステアリングホイールの位置関係を煮詰め、iコックピットの使い勝手は高まったが、空調の温度調整が手軽にできない操作系は不便だ。
ディスプレイとステアリングホイールの位置関係を煮詰め、iコックピットの使い勝手は高まったが、空調の温度調整が手軽にできない操作系は不便だ。    JACK HARRISON

とはいえ、やはり見た目重視のデザインだ。実体ボタンはほとんどなく、タッチ画面依存型だが、反応遅れが大きく、エアコンの操作系が常設されていない。ホーム画面に表示することはできるが、スマートフォンのミラーリングやナビゲーションを使うときには消えてしまう。

カスタマイズできるショートカットが並んだiトグルが、そこを補ってくれることを期待したいが、使える機能はきわめて限られている。1℃ずつ温度調整するような操作パネルはない。

MPVの代用と考えても、残念なところがある。ライバルに比べて、室内の小物入れや棚など収納スペースが不足気味だ。

2列目シートはスライドとリクライニングを備え、3列目への乗車時には手動で簡単にスライドとタンブルができる。最大785mmのレッグルームは、これを上回る競合車もあるとはいえ、十分に広い。ただし、その場合は3列目の足元が割を食うことになる。3列目には、USBポートやエアコン吹き出し口などもない。

荷室は競合するヒョンデよりやや小さいが、床下ストレージの使い勝手は上。3列目シート使用時に、ラゲッジカバーを入れておけるスペースもある。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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