走り　★★★★★★☆☆☆☆

136psの7人乗りSUVというのは非力そうに思えるが、実際はそうでもない。もっとも、パワフルというほどでもないが。

その一因がウェイトだ。このサイズで実測1736kgというのは、比較的控えめな部類に入る。日産エクストレイルe−パワーや、ヒョンデ・サンタフェハイブリッドは、どちらも2t近い。

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テストコースでの5008ハイブリッドは、0−100km/hが10.5秒で、公称タイムを0.8秒凌いだ。まずまずのパフォーマンスだが、7人フル乗車時や、素早く高速道路へ合流したい場合には、余裕は少ない。スタンディングスタートはサンタフェより遅いが、4速での48−113km/h加速は0.5秒遅れるのみだ。

動力性能はまずまずなのだが、走りはじめるとまず、さまざまなノイズに気がつく。タイミングチェーンの採用は、信頼性の点ではありがたいが、洗練性には寄与しない。アイドリングでは、しばしばロッドが当たるような音がするし、さまざまな振動や唸りも出す。

高回転域では、3気筒の響きが魅力的だが、トランスミッションは効率を優先して回転を低く保つ傾向がある。

6速DCTは、ぎこちなかった8速の旧型よりは改善されていたが、その要因はおそらく、出力がスムースなモーターによるもので、変速時の出力のギャップを埋めてくれているのだろう。ただし、ドライバーの入力がスムースでないと、動作がつっかえることはある。

モーターはたった21psなので、それだけで走るにはすぐに限界が来る。それでも、発進と停止を繰り返すような交通状況では、燃費の節約に有効だ。とはいえ、0.9kWhしかないバッテリーは力不足。しょっちゅう空か満タンになってしまうので、EV走行やエネルギー回生が、使いたいときに使えないことが多すぎるのだ。

充電がいっぱいでなければ、スロットルオフでの回生レベルは一定だが、かなりマイルドだ。

画像　写真で見るプジョー5008のライバル　全3枚