アストン・マーティン・ヴァンテージGT3、ジュネーブで発表

公開 : 2015.02.18 22:55  更新 : 2017.06.01 02:11

レース・シーンからインスピレーションを受けたアストン・マーティン・ヴァンテージGT3が、ジュネーブ・モーターショーで公開される。600psを発揮する5.9ℓV12を搭載したモデルで、生産は限定100台。価格はおよそ£250,000(4,570万円)だ。

ジュネーブ・モーターショーに先駆けて、VIPカスタマーには公開された模様で、多くのカスタマーがオーダーを入れていたという。このモデルは、ヴァンテージSをベースとして、レーシング・モデルのGT3のエッセンスを追加したもの。まず注目されるのは、カーボンファイバー、マグネシウム、チタニウム、アルミニウムなどといった軽量なマテリアルをボディおよびインテリアに使用し、軽量化が図られていることだ。その結果、ヴァンテージSの1665kgから最高で150kg近いダイエットがされているという。標準的なヴァンテージGT3でもその重さは1565kgと100kgほど軽量化が図られている。

また、エアロダイナミクスに優れたパッケージや、よりサーキット走行に焦点を絞った7速ギアボックス、拡大されたトレッド、見直されたダンパー・セッティングと、新しいチタニウム・エグゾースト・システムも装備される。

このモデルを制作したアストン・マーティン・スペシャル・プロジェクトのディレクターであるデイビット・キングは、AUTOCARに「GT3レーサーのエッセンスを、ロードゴーイグ・モデルであるヴァンテージに注ぎ込んだモデルだ。」と語った。さらにキングは、「サーキットで走るために、ビジュアル的にも、そしてその機能面でもGT3レーサーからインスピレーションを受けたものを組み込んだ。そして、そこにはアストン・マーティンの持つクラフトマンシップが表現されている。」とコメントしている。

エンジンはAM57とネーミングされたもので、ヴァンテージV12 Sからチューンナップされたもの。パワーは573psから600psにアップされ、トルクも63.2kg-mから63.7kg-mにアップしている。また、その発生回転数が高くなってもいる。

トルク・チューブはマグネシウム製に一新され、7速のギアボックスもより素早いシフトチェンジに耐えうるように調整されている。ただし、基本のドライブトレインはV12 Sから変更はない。

最終的なエンジン・アウトプットはアストン・マーティンの公式発表ではなく、また、そのパフォーマンスも発表されていないが、最高速はダウンフォースが強くなったボディのため330km/hから298km/hにダウンされている一方で、0-96km/h加速はV12 Sよりも0.2秒ほど速くなった3.5秒となる模様。

シャシーも基本的なレイアウトはV12 Sから受け継がれる。車高自体は変わっていないが、空力的な見直しによってグラウンド・クリアランスは減らされている。また、トレッドはフロントが15mm、リアが35mmほど拡大されている。新しいスプリングとロールバーが取り付けられ、ビルシュタイン製のダンパーと合わせて再セットアップが行なわれている。

V12 S同様にスポーツ・モードとトラック・モードという2つのドライビング・モードは引き継がれる。これは、ダンパー、スロットル・レスポンス、ギア・シフト・スピード、ギア・シフト・タイミング、エグゾースト・ノート、ステアリング・アシストの堅さを変えるもの。これらすべてはヴァンテージGT3のためにリチューンされる予定で、これから2ヶ月にわたってそのセッティングを見つけるという。アストン・マーティンのレーシング・ドライバー、ダレン・ターナーもこのシャシー・チューニングのために駆り出されており、開発チームに参加しているという。

ブレーキは、より大きなブレンボ製のカーボン・セラミックで、軽量な19インチのマグネシウム・ホイールと、ミシュランのパイロット・スーパー・スポーツがセットされる。タイヤ・サイズは、フロントが265/35、リアが325/30だ。また、アロイ・ホイールは、センター・ロックを標準で採用するが、これはアストン・マーティンとしてははじめてのこと。

ボディ自体はカーボンファイバーが多用されており、50mmほど幅が広くなったにもかかわらず、ボディだけで20kgほど軽量化が行なわれている。ボンネットには馬蹄型のグラフィックが描かれているのも特徴の一つ。また、リアのウイングは大型化されるとともに固定式となっている。

インテリアについても、重量の軽減という目標のため、カーボンファイバーが多用されている。シートは電動式からマニュアル式に変更されるが、インフォテーメント・システムはV12 Sから継続して装備されることとなる。また、キャビン自体はカーボンファイバーについてはむき出しのままだが、それ以外はアルカンタラと本革のトリムを持つ。

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