BYDはアルファ・ロメオだ!(暴論)【新米編集長コラム#19】
公開 : 2025.02.17 11:45
AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、新米編集長コラムです。編集部のこと、その時思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第19回は、初めて取材するBYDであるシール試乗を通じて感じた、とある暴論の話です。
「あくまで個人の感想です」
BYDはアルファ・ロメオだ! ……もちろん事実ではない。校閲部からはNGを出されるだろうし(当編集部にそういう部署はないですが)、どちらのオーナーにも怒られる気がするものの、そう思ってしまったのだから仕方ない。「あくまで個人の感想です」というエクスキューズを加えつつ、その話を書きたいと思う。
中国ブランドである『BYD』は、2023年初頭に日本上陸。日本自動車輸入組合(JAIA)のデータから拾ってみると、2024年は年間2383台の新車を登録。月に200台程度は登録していることになる。ちなみに近い台数を探すと、シトロエンの2024年が2920台/月300台程度となり、街中で見かける頻度で考えると、確かに近い感覚がある。

現在日本で販売しているラインナップは、コンパクトハッチバックの『ドルフィン』(価格363万円~)、コンパクトSUVの『アット3』(450万円~)、そして今回取材したセダンの『シール』(528万円~)となり、4月からはミドルSUVの『シーライオン7』が販売される。現状は全てBEVだが、今後はプラグインハイブリッド導入も予定している。
『e-スポーツセダン』を謳うシールは、全長4800mm、全幅1875mm、全高1460mmのミドルサイズセダン。昨年は『2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー』の10ベストカーに選ばれるなど、業界の評価も高い。実はこれまで取材の縁がなく、今回が初めてのBYD試乗となる。最近、広報担当者が旧知の方となり、ご好意でロングドライブの機会を頂けた次第だ。
街中でちょうどいい大きさ
第一印象は、街中でちょうどいい大きさだなぁ、というもの。サイズだけ見ると大きめだが、もう少し小さなクルマに乗っている感覚もあり、また後部座席も広く、なかなかいいパッケージだと思う。
最初は音に反応するイルミネーションが派手で驚いたが(すぐにオフにしてしまった)、センターコンソールのディスプレイにスイッチ類を集約させつつも、ステアリングまわりでいろいろ操作できるのは使いやすいと感じた。ちなみにそのモニターはスイッチひとつで縦型にもできる。他にもヘッドアップディスプレイが見やすく、ガラスルーフにも好感が持てた。

BYDはバッテリーとボディを一体化した『CTB』(セル・トゥ・ボディ)と呼ばれるプラットフォームを採用していて、そのためか、確かにボディのしっかり感は乗っていても伝わってきた。ただ、試乗車のAWDは車重が2210kgもあり、高速コーナーなどで車体全体が上下動したあとに収まらず、揺り戻す感じがちょっと気になった。
また、スタッドレスに交換した際にアライメントが狂ったのか、真っ直ぐ走っていると少し左に流れていくのも気になった。後者は個体特有の可能性が高いが、前者はスポーツモードで走るとより顕著にも感じた。もしかしたら剛性が高すぎるゆえかもしれないが、機会があれば技術者に話を聞いてみたいと思う。
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