【新車で買える峠スペシャル】電動化目前!A110Rチュリニはガソリン世代究極のアルピーヌ

公開 : 2025.02.20 11:45  更新 : 2025.02.20 14:45

チョイ乗りではなく、峠でこそ輝く1台

今回はA110Rチュリニで街中だけでなく様々なシチュエーションで試乗してみた。中高速ワインディングというべき箱根ターンパイクとのマッチングも上々だったが、クルマの個性を生かすのであれば大観山から湯河原へ降りる椿ラインのほうがツイスティなコーナーが連続しアドバンテージがある。こういったステージではパドルシフトで操る7速DCTのメリットも相当なもので、「これでMTがあれば!」などと思わなくなるはず。

またカーボンかつモノコック構造のバケットシートと6点式ハーネスのおかげで腰まわりが完璧にホールドされるので、強大な横Gが掛かっている瞬間でも左足をフットレストに突っ張らせることなく、繊細なブレーキ操作ができる点もチュリニの美点といえるだろう。乗りはじめはリアの視界がサイドミラーに限定される点が気になり、高速道路では自然とペースが抑え気味になってしまったが、峠なら全く問題はなかった。

先代へのオマージュがこもったスタイリングを含め、今後その評価がさらに高まりそうだ。
先代へのオマージュがこもったスタイリングを含め、今後その評価がさらに高まりそうだ。    山本佳吾

A110を研ぎ澄ませたチュリニに乗って思うのは、よく2017年に専用プラットフォームを持ったこのクルマを発表したということだろう。ミニマムでありながら、シャシーセッティングに幅があり、上質なGTといったグレードからモータースポーツ用のGT4までの造り分けも的確だ。

そしてもちろん、先代へのオマージュがこもったスタイリングを含め、今後その評価がさらに高まるに違いない。6点式ハーネスが標準のA110Rチュリニはチョイ乗りには向かないが、躊躇している場合ではないことも確かである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×