365日頼れるステーションワゴン スバル・フォレスターへ英国試乗 大改善の新ステアリング

公開 : 2025.02.17 19:05

英国ではスバルの3割を占めるフォレスターが6代目へ 2.0Lボクサー4は135psにダウン 四輪駆動に疑似7速のCVT 11.6インチ縦長モニター獲得 ダイレクトな新ステアリング 英編集部が評価

英国ではスバルの3割を占めるフォレスター

2025年にグレートブリテン島へ上陸した、6代目スバル・フォレスター。最近の英国で1年間に売れたスバルは、約2400台とのこと。アウトバックやクロストレック、ソルテラなどが提供される中で、フォレスターは約30%の割合を占める人気モデルだという。

少し面白みに欠けるラインナップに思えるが、2026年末までに3車種のバッテリーEVが追加予定。2028年までには、8車種が計画されている。英国へどのモデルがやって来るのかは不明だが、10年後の販売数を1万台へ増やす戦略が立てられている。

スバル・フォレスター e-ボクサー・フィールド(英国仕様)
スバル・フォレスター e-ボクサー・フィールド(英国仕様)

フォレスターの特徴といえるのが、ユーザーによる信頼度が高いこと。全体の70%の購入者が、リピーターなのだとか。安全性と耐久性、機能性を強みとするスバルへ共感し、実感してきた人たちといえる。

ライバルといえるのは、マツダCX-5ホンダZR-VトヨタRAV4など。そんな中で、4万ポンド(約780万円)を切る四輪駆動モデルであることも、売りとなっている。先代から英国価格は上昇したが、約1000ポンド(約20万円)に留めている。

6代目の基礎骨格は、スバル・グローバル・プラットフォームで5代目と同じ。新世代としてアップデートを受け、サスペンションマウント部分やシャシーフレームを強化。ねじり剛性は、10%上昇したという。

パネルの結合へ用いられる接着剤の長さは、8mから27mぶんへ増量。耐久性と洗練性も高められた。ルーフ周りの防音性も向上し、走行時の車内ノイズは、39%小さくなったと主張される。

ダッシュボード中央に11.6インチ縦長モニター

スタイリングは、先代のイメージを継承しつつリフレッシュ。空力特性が高められた。細いフロントピラーや三角窓が付いた大きなサイドウインドウ、低められたショルダーラインなどが功を奏し、運転席からの視界が広く、開放的な車内空間を生んでいる。

ボディサイズは、全長が4670mmで、全幅は1830mm、全高が1730mm。ひと回り成長したが、入り組んだ細い道でも扱いやすい大きさに収まっている。

スバル・フォレスター e-ボクサー・フィールド(英国仕様)
スバル・フォレスター e-ボクサー・フィールド(英国仕様)

英国仕様のトリムグレードは、リミテッドにフィールド、ツーリングという3段階。いずれも装備は充実し、トップグレードの後者では基本的な装備に加えて、サンルーフと19インチ・アルミホイール、レザーシートにリアのシートヒーターなどが追加される。

6代目でトピックの1つといえるのが、上質さ以上に、耐久性を重視した新素材を用いた内装だろう。ダッシュボードの中央では、縦に長い11.6インチのタッチモニターが存在感を放つ。

車内空間は、このクラスとしてはゆとりがあり、荷室も広い。フロントシートは新デザインで、快適性が大幅に増した。頭部の揺れを44%も減らすという、ランバーサポートが効果的で、数100mも走れば従来より快適なことへ気付けるはず。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応する他、オーディオの音量とエアコンの温度は独立したボタンで調整可能。目新しさの薄いシンプルなデザインだが、操作しやすく、悪いことではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×