アウディS8
公開 : 2012.07.31 12:44 更新 : 2017.05.29 18:18
■どんなクルマ?
アウディS8は、本当の意味でのビッグ・サイズのスポール・サルーンだ。そのボディはアルミニウム製で、そのサイズからは想像できない機敏さを持つ。この最新のS8は、S6とS7と同時に英国で発売となったが、そのエンジンは共通のツインターボ4.0リッターV8だ。但し、そのチューニングは異なり、このS8には513bhp、66.2kg-mという最も高い出力を持つエンジンが搭載される。そのボディ・ウエイトは2050kgとヘビー級だが、0-100km/h加速は4.2秒という俊足振りを発揮する。
ちなみに、長さ5136mmという大柄なボディの駆動方式はフルタイムの4WD、つまりクワトロ・システムが採用されている。
■どんな感じ?
実に良い感じだ。客観的に見ても、完璧なクルマといえる。そのステアリングは実に粘着質であり、エア・サスペンションとダンパーはドライバーの好みによって、エンジン、ギアボックス、ステアリング、ディファレンシャル・レスポンスと共に調整が可能だ。もちろん、あるひとつのセッティングで全てを賄うことは相当難しい仕事ではある。
この大きい・ドライバーズ・カーは、本当に心地良くて速いサルーンだ。そのサイズでありながら、キビキビとしている様は狂気の沙汰とも思えるほどだ。
この2トンを超すクルマのインテリアにはカーボンファイバーのパーツが多用されている。そのインテリアにあるスタート・ボタンは、小さくてレーシーなイメージを受ける赤いトリミングがされたものだ。
ステアリングはラブリーなサイズで、ブレーキはカーボンセラミックを選択することもでき、そのパフォーマンスは本当に素晴らしいものがある。
高速道路でS8を走らせる。すると、その粘着質なステアリングは、安定性という方向に向かう。風切り音は非常に少なく、われわれがテストしたオプションの21インチ・ホイールであってもノイズはキャンセルされる。更に、エンジン負荷に応じてシャットダウンされる4本のシリンダーは、更にノイズを少なくする。通常の走行で、スロットルをフラットに踏んでいる限りは、遠くからの単調な音以外は聞こえないはずだ。むしろ、ステレオの音の方が大きい。
シリンダー・シャットダウンは、9.8km/lの燃費と235g/kmのCO2排出量をマークすることに寄与し、90リッターのタンクをフルにすれば、アウディS8を800km給油なして走らせることも可能なのだ。
■「買い」か?
もし、あなたが、標準装備の77,900ポンド(957万円)ではなく、われわれがテストした車両の10,700ポンド(1,300万円)の紙幣を都合できるのであれば、最高の選択である。ハノーバーとベルリンの週1、2回のクルージングは、バング&オルフセンから奏でられるワーグナーと共にあることだろう。
(マット・プライヤー)
アウディS8
価格 | 77,900ポンド(957万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 4.2秒 |
燃費 | 9.8km/l |
Co2排出量 | 235g/km |
乾燥重量 | 2050kg |
エンジン | V8 3993cc ツイン・ターボ |
最高出力 | 513bhp/6400rpm |
最大トルク | 66.2kg-m/1400rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |