ボルボXC60 一部改良でデザイン刷新、乗り心地向上 タッチスクリーン大型化

公開 : 2025.02.20 18:05

ボルボはベストセラーモデル「XC60」の一部改良を発表した。内外装を刷新し、新型XC90と足並みを揃えた。車内には11.2インチの大型タッチスクリーンを導入するなど、フレッシュな印象を与えている。

エンジン車の販売力を強化

ボルボXC60の改良新型が欧州で発表された。新しい外観とアップグレードされた内装を獲得し、ベストセラーモデルとしての魅力を維持しようとしている。

外観の変更点としては、新型XC90と同様の新しいグリル、ダークなリアライト、新しいホイールが挙げられる。

改良新型ボルボXC60
改良新型ボルボXC60    ボルボ

インテリアでは、より大型の11.2インチインフォテインメント・タッチスクリーンが採用されている。米クアルコム社の高性能チップを搭載し、入力に対する反応が以前の2倍速くなったという。また、グラフィックもより鮮明になったとされている。

高級な内装材を使用し、ノルディコ(Nordico)の合成皮革とヘリンボーンパターンのファブリックの組み合わせなどが用意される。キャビンの改良も行われている。

パワートレインは変更されておらず、欧州仕様では最高出力250psのマイルドハイブリッド、または350psと455psの2種類のプラグインハイブリッドから選択できる。

コイルスプリング式サスペンション装着車には、乗り心地を向上させる新しいダンパーが採用されるが、エアサスペンションの仕様は変更されない。

欧州向けの価格は来月確定する予定だが、現行のXC60と比較して、若干値上がりする見込みである。納車は7月から9月末までの第3四半期に開始される。

ボルボはEVのEX60(来年発売予定)のデビューを控えているが、ガソリンエンジン搭載のXC60に一部改良を施したのは、当分の間は販売を継続するためと考えられる。

実際、ボルボのジム・ローワン最高経営責任者(CEO)は以前、大型のXC90について、需要次第では2030年移行も販売が継続される可能性があると示唆していた。

「当社は2020年代中にEVに移行する準備はできているが、市場のインフラや顧客の受け入れ態勢がまだ十分でないのであれば、あと数年は待つこともできる」と同氏は述べた。

「EVへの移行は直線的なものではない。顧客と市場はそれぞれ異なるスピードで動いているため、移行のどの段階にあっても、顧客ニーズや状況に合ったボルボ車を提供できるよう、ハイブリッド車への投資を継続していく」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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