5銘柄で兄弟車 BMCファリーナ・シリーズ UK版中古車ガイド(1) イタリア・ボディの英製サルーン

公開 : 2025.03.15 17:45

1950年代末にBMCから5ブランドで展開されたファリーナ・シリーズ 英国のインテリアにイタリアンなボディ 銘柄で差の出た販売 信頼性の高いBシリーズ・エンジン 英編集部が魅力をご紹介

BMCの5ブランドから兄弟モデルを提供

女王エリザベス2世の夫、フィリップ王配は、かつて英国製サルーンの容姿が欧州の競合モデルへ劣ると発言した。それを受け、今はなきブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)は、既存プラットフォームを活かした新モデルを開発した。

ベースとなったのは、オースチンA55ケンブリッジで、スタイリングを手掛けたのはイタリアの名門、ピニンファリーナ社。BMC傘下にあった、オースチンとモーリスウーズレー、MG、ライレーの5ブランドから、それぞれ兄弟モデルが提供された。

BMCファリーナ・シリーズ(1958〜1971年/英国仕様)
BMCファリーナ・シリーズ(1958〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

ドライブトレインを含め、当初のコンポーネントは基本的にオースチン由来。モーリスやウーズレーは、ラック&ピニオン式のステアリングを既に採用していたが、旧式なカム&ペグ式へ逆行することになった。エンジンは、1.5L 4気筒のBシリーズが載った。

レバーアーム式の油圧ダンパーや、グリスアップの頻度が高いアクスルのキングピンなども、時代遅れの技術だった。しかしBMCのクルマは、グレートブリテン島以外の、過酷な環境で乗られることも多かった。堅牢性は高く、理にかなった選択ではあった。

内装やエンジンで差別化 銘柄で差の出た販売

1958年、最初に発売されたのはウーズレー15/60。その後、オースチンA55ケンブリッジ MkIIとMGマグネット MkIII、モーリス・オックスフォード V、ライレー4/68という順で、市場へ投入されている。

価格が1番お手頃だったのは、ケンブリッジ MkII。ウーズレーの15/60には、インテリアにウッドとレザーが多用され、高級仕様という扱いだった。

BMCファリーナ・シリーズ(1958〜1971年/英国仕様)
BMCファリーナ・シリーズ(1958〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

モーリスのオックスフォード Vは、A55ケンブリッジ MkIIの1つ上で、マグネット MkIIIと4/68は、ツインキャブレター・エンジンが与えられた高性能仕様。内装のトリムも上質で、高めの価格が設定され、差別化が図られていた。

販売数は、オースチンA55ケンブリッジ MkIIで約15万台。マイナーチェンジ後のオースチンA60ケンブリッジでは、27万6500台だった。オックスフォード Vと、同じくマイナーチェンジ後のVIは、それぞれ8万7432台と20万8823台が売れている。

15/60と後期型の16/60は、2万4759台と6万3082台。マグネット MkIIIとMkIVは1万6676台に1万4320台で、4/68と4/72は、1万940台に1万4151台。ブランドによって、売れ行きには大きな開きがあった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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