【マツダCX-60商品改良】問題点の乗り心地を改善!ドライバーを楽しませるSUVとしてさらに進化

公開 : 2025.02.21 11:30

マツダCX-60が商品改良を受け販売開始となりました。これまで問題点とされた乗り心地を改善し、新グレード『XD SP』や特別仕様車『XDハイブリッド・トレッカー』を追加しています。西川昇吾が、その概要をレポートします。

乗り心地に対して不満の声も多かったCX-60

商品改良を受けて進化したマツダのミッドサイズSUV『CX-60』が、2月21日から販売開始となった。

これまで問題点とされていた乗り心地を改善するとともに、CX-60が持つ走りの楽しさという個性を際立たせた新グレード『XD SP』や、アウトドアシーンで役立つ装備を充実させた特別仕様車『XDハイブリッド・トレッカー』が追加となっている。

CX-60が持つ走りの楽しさという個性を際立たせた新グレード『XD SP』。
CX-60が持つ走りの楽しさという個性を際立たせた新グレード『XD SP』。    神村聖

大柄なSUVらしからぬ走りの楽しさが評価されていた反面、乗り心地に対して不満の声も多かったCX-60。今回の改良ではサスペンションまわりを中心に、乗り心地を改善する取り組みがメインで行われた。

変更点が多いのはリアサスペンションまわりで、バネレートを低くして減衰力を高めたほか、サスペンションの底着きを低減するためにバンプストッパーの特性を変更。さらにスタビライザーレスにし、クロスメンバーブッシュも圧入角度を変更して特性を変えている。

リアサスペンションまわりの変更に合わせて、バランスを取るためにフロントも変更が行われた。減衰力が変更されたほか、ナックルの締結ポイントも変更され、さらにトランスミッションも制御を見直し、低速域での変速ショックを少なくしている。商品改良であることを考えると、走行性能に関する部分の多くに手を入れられていて驚かされた。

コーナリング時にさらなる安定感

このような変更内容となると、CX-60が持つ個性である走りの楽しさが失われたのではという心配の声もあるかもしれないが、開発陣はこの個性はさらに引き延ばしたと語る。リアスタビライザーを廃止したが、ロールスピードは初期型よりも遅くなっていて、コーナリング時にさらなる安定感をドライバーに与えるよう進化させたそうだ。

また、欧州メディアで行われることの多い高速レーンチェンジテストでの性能も向上しているとのこと。これらの情報からするに、ドライバーを楽しませるSUVとしての進化にも期待が持てる。

乗り心地を改善しながら、以前から持っていた個性をさらに進化させたCX-60。運転好きにはもちろん、これまで以上に多くの人へ勧められるモデルへとバージョンアップしたと言えよう。

新グレード『SP』と特別仕様車『XDハイブリッド・トレッカー』

最後に今回追加となった新グレード『SP』と、特別仕様車『XDハイブリッド・トレッカー』の特徴を紹介する。

『SP』はスポーティさをより引き立てたグレード。多くの人に親しんでもらいたいという狙いから、ディーゼルの非ハイブリッドモデルにのみ設定されている。ベースとなったSパッケージからの変更点は以下の通りだ。

今回追加となった別仕様車『XDハイブリッド・トレッカー』。
今回追加となった別仕様車『XDハイブリッド・トレッカー』。    神村聖

・ピアノブラック塗装のハニカムタイプフロントグリル
・ブラッククローム塗装のシグネチャーウイング
・ブラッククローム塗装テクノロジーバッチ(INLINE6)付きサイドシグネチャーガーニッシュ
・グロスブラック塗装のドアミラー
・専用20インチアルミホイール(ブラックメタリック塗装)

『XDハイブリッド・トレッカー』はよりアクティブなライフスタイルに彩りを加えるアイテムが追加されており、アウトドアシーンなどでより絵になる雰囲気となっている。ベースとなったXDハイブリッド・エクスクルーシブ・スポーツからの変更点は以下のとおりりだ。

・限定カラーとしてジルコンサンドメタリックを設定
・パノラマサンルーフを標準設定
・急ブレーキや事故の際に、2列目や前席へ荷物が侵入するのを防止するパーティションネットを設定
・マイルドハイブリッドの制御を変更し2030年の燃費規制に対応

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川昇吾

    1997年、富士スピードウェイのほど近くに生まれる。必然的に、モータースポーツとともに幼少期を過ごす。当時愛読した自動車雑誌の記憶に突き動かされ、大学時代から自動車ライターとして活動を開始。卒業後、動画系の自動車媒体に所属したのちフリーとして独立。地元の地の利を生かし、愛車のNBロードスターでのサーキット走行や、多彩なカテゴリーでのレース参戦を積極的にこなす、血気盛んな若手モータージャーナリスト。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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