【詳細データテスト】マツダCX-30 十分以上のパフォーマンス 人馬一体感も健在 乗り心地も良好

公開 : 2025.02.22 20:25

操舵/乗り心地 ★★★★★★★★☆☆

低速でのパワーステアリングや、MTのシフトフィールは、手応え十分で人馬一体感が味わえる。この身が詰まったソリッドな感触は、比較的コンパクトな量販車からはどんどん消えていっているものだ。

時折、シフトレバーをローからセカンドへ入れる際に、クラッチペダルを1秒ほど踏み込んでおく必要がある。また、とくに駐車の際には、一般的なクロスオーバー・ハッチバックより操舵力が求められる。とはいえ、どちらもデメリットになるほどではない。むしろ、クルマがドライバーにコミュニケーションを図っているようで、真剣に運転する気にさせてくれる。

この手のクルマとしては珍しく、コミュニケーション能力が高い。操縦系からは、クルマの状態がはっきりと読み取れる。
この手のクルマとしては珍しく、コミュニケーション能力が高い。操縦系からは、クルマの状態がはっきりと読み取れる。    JACK HARRISON

マツダが念入りに走りを煮詰めたと思わせるのが、公道を走ると無駄な硬さや神経質さを感じさせないことだ。ステアリングの速さはほどほどで、穏やかな感触や精確さ、直観的なところが失われることはない。低速でも高速でも快適な乗り心地で、引き締まった一体感のあるフィールがソワソワした感じを生むのは市街地くらい。それも、たまにのことだ。

18インチホイールと、パフォーマンス志向ではない55タイヤは、よほど荒れた舗装でもなければ、ほぼ穏やかな乗り心地を保ってくれる。グリップレベルはまずまずで、もうちょっとだけ高くてもよかったかもしれない。

ボディコントロールは十分に爽快で、ハンドリングレスポンスは適切で素早く、速めのコーナリングでも路面にあまり影響を受けない。そのため、安定していてブレることなく、グリップはそうあるべきようにフロントから先に限界を迎える。ただし、コーナーでの粘りやバランスを見せる前に、だが。

コミュニケーションは豊かで、グリップの状態をはっきり伝えてくれる。この手のクルマでは珍しい。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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