【これが最後のアルピナ】B3GTとB4GTが日本上陸!細部に込められたドイツ・ブッフローエの想い

公開 : 2025.02.23 11:05

ニコル・レーシング・ジャパンはBMWアルピナB3GTとB4GTをお披露目しました。アルピナは2026年よりBMWグループとなるため、現体制最後のモデルがこの2台となります。内田俊一が解説します。

B3GTとB4GTが最後のアルピナ

ニコル・レーシング・ジャパンは2月21日、『BMWアルピナB3GT』と『BMWアルピナB4GT』をメディアに向けてお披露目した。

ドイツ・ブッフローエに拠点を置く自動車メーカー『アルピナ』は、2026年よりボーフェンジーペン家の手を離れ、BMWグループの一部となる。その最後のモデルがB3GTとB4GTだ。

ニコル・レーシング・ジャパンはBMWアルピナB3GT(写真)とB4GTをメディアに向けてお披露目。
ニコル・レーシング・ジャパンはBMWアルピナB3GT(写真)とB4GTをメディアに向けてお披露目。    小林俊樹

ニコル・レーシング・ジャパンのエンジニアリング部部長の加藤新さんによると、B3とB4からの進化で最も重要なのはエンジン出力の向上にあるという。「コンピューターチューニングだけで、初期型の460psから中期型の490psへ。そして今回529psまで向上しました」。確かにエンジンの性能曲線を見ると、トップエンド(全速域)のパワーの伸びとトルクの落ち込みが減っており、同時に中低速域でのトルク特性も改善されている。

また、ベースモデルの改良に伴い、例えばB4にだけ採用されていたドームバルクヘッドレインフォースメントストラットをB3GTにも拡大採用。これは、BMW 3シリーズのリアダンパーアッパーマウントの剛性が強化されたことを受け、リア側スタビライザーのセッティングを見直すとともに、バランスを取るためにフロント側にも手を入れた結果だ。同時に前後ダンパーも独自の電子制御プログラムを見直している。

トランスミッションはM3やM4のものがベース

トランスミッションはZF製8HP76というM3やM4に搭載されているものをベースに、アルピナ独自でチューニング。つまり、ベース車はM340i とM440iで、S58型エンジンやトランスミッションはM3とM4のものを使いながら、アルピナ独自に開発したのがこのB3GTとB4GTといえるのだ。

エクステリアはこれまでのB3、B4と大きくは違わないが、フロントスポイラーにカナードが追加され、オロテクニコと呼ばれる専用色でデコラインやエンブレムカラー、そしてデコラインに入る文字をALPINAではなくB3GT、B4GTと記している。また、ホイールもオロテクニコカラーで、若干デザインも変更。新デザインのリアディフューザーも装着された。

オロテクニコと呼ばれる専用色を採用し、デコライン、ホイールなどが同色となる。写真はB4GT。
オロテクニコと呼ばれる専用色を採用し、デコライン、ホイールなどが同色となる。写真はB4GT。    小林俊樹

インテリアも同様に、パドルシフトがオロテクニコのアルマイトカラーになったほか、GTの刻印がステアリングとシートに刺繍され、またサイドシールのスカッフフレートに入っている。価格はB3GTが1650万円から、B4GTは1710万円からだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    小林俊樹

    Toshiki Kobayashi

    1964年生まれ。1985年よりグラフィティにてカメラマン活動をスタート。10年ほど在籍し、その間にライディングスポーツ、レーシングオンなどレース専門誌、レーススポンサー、鈴鹿サーキットのオフィシャル撮影を担当。1995年にはアーガスへ入社、北畠主税氏を師事して13年ほど在籍。自動車のカタログや専門誌、ライフスタイル誌などの撮影を担当。その後2009年にフリーランスとなり、現在に至る。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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