ステランティス参画の中国銘柄 リープモーターC10へ試乗 無難な走り 明確な特長が欲しい
公開 : 2025.03.23 19:05
ステランティスが輸入する中国のリープモーターC10が英国へ上陸 寸法はDセグ 価格はCセグ 広々とした車内空間 無難な走りの印象 明確な魅力や特長が欲しいと英編集部は評価
ステランティスが輸入する中国のC10
ブーッ、ブーッ、ブーッ。リープモーターC10の走りを確かめるべく発進させると、数10秒ほど警告音が鳴り続けた。最初は、すぐに止まるだろうと思ったのだけれど。
車載のドライバー監視機能が、筆者の顔を認識できないらしい。そのことへ気付き、システムをオフにした。この顔は、どうにもできない。ステアリングホイールへ絶えず介入してくる車線維持支援システムも、その次にオフにした。

既にAUTOCARでは何度かご紹介しているが、リープモーターは欧州市場への導入が始まった、中国のバッテリーEVブランド。だが、輸出事業の株式の51%を所有するのは、オランダのステランティス・グループなことが、他社との大きな違いといえる。
都市部向けのコンパクトカー、T03の左ハンドル仕様を生産するポーランド工場も、ステランティスの支援を受けている。これにより、スペアパーツの供給の安定性などを高められるという。
そんな体制を考えると、ステランティスの水準で、運転支援システムの試験をパスしていると期待するだろう。英語をネイティブに話す人が、車載システムの表記もチェックしていて不思議ではない。
ところが実際は、そこまで深く関与していないようだ。シートヒーターやサイドウインドウの簡単な操作表記にも、間違いを見つけてしまった。
こんな点でつまずいてしまうと、真剣にC10を評価しようという気が薄れそうになる。もちろん、AUTOCARとして全力で向き合ったが。
寸法はDセグ 価格はCセグ 広々車内
C10は、全長4739mm、全幅1900mm、全高1680mmのボディを持ち、クラスとしては大きめの中型モデル、Dセグメントに該当する。サイズでいえば、テスラ・モデルYやBMW iX3に近い。
一方でお値段的には、ひと回り小さいCセグメント級であることが強み。キアEV3やプジョーE-2008と同等の予算で、大きな電動SUVへ乗ることができる。充実した装備内容で、英国価格は3万6500ポンド(約711万円)からだ。

警報音の鳴らない車内は、全体的に快適。運転姿勢は自然で、後席側の空間は広々としている。内装は、殆どの部分が柔らかい合成皮革で覆われている。テスラのように、ミニマリスティックなデザインだから、造形的な特徴は薄いが。
実際に押せるハードスイッチはほぼなし。試乗車は、淡いパープルが差し色で用いられていた。タッチモニターのアイコン・レイアウトやメニューも、良く考えられているように思う。
ただし、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには非対応。リープモーターが用意した、メディア・システムとカーナビを利用する以外に選択肢はない。これが優れていれば良いのだが、そうとはいえなかった。
C10独自といえるのが、車載機能の操作を組み合わせて記録できること。サイドウインドウを開けたら、ラジオのボリュームを自動で上げる、という設定が任意にできる。それと一緒に、読書灯を灯すこともできる。知らない人は、驚くだろう。
コメント