メルセデスAMG ついにV8エンジン復活へ 新型「CLE 63」に搭載、ただしフラットプレーンを採用
公開 : 2025.02.25 18:25
メルセデスAMGは新型「CLE 63」にマイルドハイブリッドのV8エンジンを搭載する計画だ。従来の4気筒PHEVは顧客の支持を得られず、8気筒に回帰することとなった。
4気筒PHEVの不振を受けV8に回帰
メルセデスAMGはこれまでの方針を転換し、今年後半に発売予定の新型車「CLE 63」に新開発のマイルドハイブリッドV8ガソリンエンジンを搭載することを明らかにした。
これは、現行のC 63に搭載された4気筒ベースのプラグインハイブリッド駆動系が物議を醸し、顧客の支持を得られず、販売台数を大きく減少させる原因となったことを受けての対応だ。

AMGの関係者はAUTOCARに対し、CLE 63に続き、2026年に発売予定の改良型C 63を含む他のモデルにもV8エンジンが搭載されると語っている。
このエンジンの詳細はまだ明らかになっていないが、AMGの既存の4.0L V8ツインターボを改良したものになるという情報がある。
以前から噂されていたV8エンジンの復活がほぼ確定したわけだが、これは大幅な設計変更を伴うものである。
AMGは従来のクロスプレーン式クランクシャフトを廃止し、フラットプレーン設計を採用している。これによりスロットルレスポンスの向上が期待できるが、AMGのV8エンジンに馴染み深い低音のサウンドは失われるだろう。
この設計は、2021年にGTブラックシリーズのM178 LS2エンジンに初めて採用されたもので、クランクケースを小型化し、第5世代のCクラスなど、もともとV8エンジン用に設計されていなかったモデルにも搭載することが可能になった。また、高回転化の余地もある。
最終的な形では、パワーブーストと効率性を高めるために、トランスミッション統合型スターターモーターを備えたマイルドハイブリッドシステムを搭載する予定である。
現行のC 63の電動ターボチャージャー付き2.0L 4気筒エンジンは、リアマウントの電気モーターと6.1kWhのリチウムイオンバッテリーとの組み合わせにより、最高出力680psと最大トルク104kg-mを発生する。
このように高性能であるにもかかわらず、伝統的なV8エンジンから4気筒PHEVへの切り替えは、特に音響特性の欠如を理由に広く批判された。
それと比較すると、前世代のC 63 Sは、クロスプレーン式のM177ツインターボチャージャー付き4.0L V8エンジンを搭載し、最高出力510ps、最大トルク71.3kg-mを発生。パワーでは劣るものの、その魅力ははるかに大きかった。
フラットプレーンクランクV8エンジンの甲高い攻撃的なサウンドを補うため、AMGは今後、人工サウンドジェネレーターを搭載し、歴代モデルのサウンドを再現する計画だ。
新型V8エンジンに加え、AMGは各セグメントにおいて、下位モデルと最上位モデルのデザインをより明確に差別化していく方針だ。
AMGのマイケル・シーベCEOは、年間販売台数を14万台から20万台に増やすという積極的な成長目標を掲げている。
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