実車のスタンスを象徴?自動車メーカーとプロモーション用ミニカーの関係性【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第4回】

公開 : 2025.02.26 17:00

マツダのスタンスは欧州メーカーのそれに近い

国産メーカーに目を転ずると、マツダのプロモーション用モデルカーに対するスタンスが欧州メーカーのそれに近く、メーカー特注モデルを数多く製作しています。また、マツダ創立100周年となった2020年には、記念して歴代マツダ車を1/43でずらりとリリースするなど、プロモーション用モデルカーに対する取り組み方にも、同社ならではの趣味的なこだわりを強く感じます。

また、別の意味で興味深いのはスバル。アイサイトの体験試乗会などで頒布される記念のミニカーはスケール表示が無く(WRX S4の場合、実測で1/35程度)、やや玩具寄りの作りですが、電池とモーターで走行し、障害物の手前で自動的に止まるという機能が搭載されているのです。

マツダは2020年の創立100周年に、1/43で歴代モデルをリリースした。
マツダは2020年の創立100周年に、1/43で歴代モデルをリリースした。    長尾循

同社の追突事故低減に対する真摯な姿勢もここに極まれり。これもまた販促プロモーション用ミニカーのひとつの在り方でありましょう。また、スズキのスイフトスポーツは成約記念にプレゼントされるスペシャルモデルということから、パッケージ/ケースも大きくて存在感高し。

といったわけで、こちらでご紹介したものはごく一例ではありますが、ブランドのイメージなのか、技術なのか、顧客サービスなのか……。実車メーカーが何を大切にしているのか、これら販促プロモーション用モデルカーというフィルターを通すことから見えてくることもあり、興味は尽きないのであります。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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