【ランクルのライバル】日産の新型フラッグシップSUV『パトロール』が展示中!日本導入は反響次第?

公開 : 2025.02.26 11:25

グレードは中東市場向けの量販仕様

それでは展示車の詳細を見ていこう。グレードは中東市場向けの量販仕様『LE TITANIUM』で、最上位の『LE PLATINUM』に次ぐモデルとあって、内容は豪華なもの。

3.5L V6ツインターボエンジンをはじめ、日産と米国のハイエンドオーディオメーカー『クリプシュ』と共同開発した12スピーカーオーディオシステムやレザーシートなど、上級アイテムもしっかりと押さえている。ボディカラーは、上品なフォレストグリーン/スーパーブラックルーフのツートンに、明るいベージュ内装の組み合わせだ。

優雅さも感じさせるパトロールのボディサイズは、全長5350mm、全幅2030mm、全高1955mmと巨大。
優雅さも感じさせるパトロールのボディサイズは、全長5350mm、全幅2030mm、全高1955mmと巨大。    内藤敬仁

日産グローバルギャラリーのメインステージに飾られたパトロールの第一印象は、「大きい」のひと言に尽きた。何しろボディサイズは、全長5350mm、全幅2030mm、全高1955mmと巨大で、日本のラインアップにはないスケール感なのだ。しかし、その姿はクロカンらしい荒々しさよりも、日産のSUVフラッグシップモデルとしての優雅さを感じさせた。

より直線的となったスタイリングは、クロカンらしいシンプルな構成だが、面デザインの美しさから上級感を漂わせる。そのため、各部に丸みを与えた先代よりも、よりスタイリッシュだ。そして、重厚さが増したスタイリングに、日本でも活躍した歴代サファリの面影を見ることができるのも、日産ファンにとっても嬉しいポイントではないだろうか。

ボディサイズもエンジン性能もパトロールの方が上まわっている

室内空間は、クロカンというよりも高級SUVと呼ぶ方がしっくりくる雰囲気だ。シフトは、日本ではセレナより採用されるボタン式を採用し、センターコンソールまわりにドライブモードやエアコンなどの操作ボタンと共に集約させ、運転席周辺には空間的ゆとりを感じさせる。センターコンソールBOXには、クーラーボックスも装備する。

後席エリアは、全車2列目、3列目シートを備えており、8人乗り仕様となる。3列目までしっかりとレッグスペースが確保されていた。展示車は、後席エンターテイメントシステムも装備。厳しい環境下での長距離移動もあるクロカンだけに、快適装備にも抜かりはない。

取材は60型と呼ばれる、2代目パトロール(1972年)と並んで展示されていた。
取材は60型と呼ばれる、2代目パトロール(1972年)と並んで展示されていた。    内藤敬仁

内外装の質感は高く、ライバルと目されるトヨタランドクルーザーと異なる世界観を持つパトロールが導入されれば、日本の上級クロカン界にも良い刺激になると思う。何しろ、ボディサイズもエンジン性能もパトロールの方が上まわっているのだ。

日産自動車によれば今回の展示は、日産の伝統的モデルであり、かつフラッグシップSUVとなるパトロールの実車を、日本でもご覧いただきたかったとのこと。実際、日産グローバルギャラリーには、熱心なパトロール(サファリ)ファンが来場しており、細部について質問していく人が多いそう。

なお会場ではスタッフの案内により内装を確認し、シートに座ることもできる。現時点では、今後の展示予定はないというから、日本導入を切望する方は、見学に出向き、熱い思いをスタッフに伝えてみてはいかがだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大音安弘

    1980年生まれ、埼玉県出身。幼き頃よりのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿では、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。愛車は、スバルWRX STI(VAB)とBMW Z4(E85)など。
  • 撮影

    内藤敬仁

    Takahito Naito

    1986年よりフリーランスカメラマンとして主に車関係の雑誌、広告の撮影に携わる。趣味は洗車。好きな音楽は1970年代のブリティッシュロック。たまにロードバイクでサイクリンロードを走って風圧と老化に抵抗したりする。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×