欧州トヨタが新型EV、3月12日発表へ 「bZスポーツ・クロスオーバー」市販版か

公開 : 2025.02.27 06:45

トヨタは3月12日、新型EVを欧州で発表予定だ。2022年公開の「bZスポーツ・クロスオーバー・コンセプト」の市販版となる可能性が高い。欧州ではbZ4X、アーバンクルーザーに続く3番目のEVとなる。

bZ4X、アーバンクルーザーに続く3番目のEV

トヨタの欧州部門は3月12日、新型EVを発表する。2022年に公開されたbZスポーツ・クロスオーバー・コンセプトの市販バージョンとなる見込みだ。

欧州向けのEVラインナップにおいては、bZ4Xと最近発売されたアーバンクルーザーに続く3番目のモデルである。

欧州トヨタが発表した新型EVの予告画像。上の1枚は編集部で明るさを変えている。下の2枚は映像の一部を切り取ったもの。
欧州トヨタが発表した新型EVの予告画像。上の1枚は編集部で明るさを変えている。下の2枚は映像の一部を切り取ったもの。    トヨタ

トヨタは以前、2026年末までに6車種のEVを投入すると発表しており、bZスポーツ・クロスオーバーもその中に含まれる。

新型EVのシルエット画像と予告映像が公開されているが、それらを見る限り、クーペスタイルのルーフラインや伸びやかなボンネットの形状など、bZスポーツ・クロスオーバー・コンセプトの要素を引き継いでいることがわかる。リアライトバーとトヨタの新しい「ハンマーヘッド」フロントエンドデザインも確認できる。

また、ボディサイズもコンセプトカーと同じであるように見える。

リアライトのデザインなどいくつかの顕著な違いはあるものの、昨年北京モーターショーで発表された中国市場向けファストバックのbZ3Cと類似点がある。このことから、同車の欧州仕様である可能性もあるが、詳細はまだ確認されていない。

トヨタの欧州向けラインナップでは、ミドルサイズのbZ4Xとハイブリッド車のC-HR(第2世代)の中間に位置することになるだろう。

小型のアーバンクルーザーと同様、新型EVは複数のバッテリー容量とモーターセットアップが用意される見込みだ。例えば、予告映像では、AWD(全輪駆動)仕様が紹介されている。

アーバンクルーザーのAWD仕様では、フロントとリアに搭載された2基のモーターにより、合計出力183ps、最大トルク30.5kg-m発生する。61kWhのバッテリーを使用し、航続距離は386kmとなる。

アーバンクルーザーのエントリーモデルでは、最高出力144psのフロントモーターと49kWhのバッテリーを搭載している。

どちらのバージョンも、最大150kWの速度で充電が可能である。

新型EVのインテリアはまだ公開されていないが、スズキとの提携で生まれたアーバンクルーザーではなく、新型C-HRに準じたレイアウトになるだろう。すなわち、12.3インチのインフォテインメント・ディスプレイ、高い位置にあるセンターコンソール、デジタルドライバーディスプレイが搭載される見込みだ。

最上級モデルには、パノラマサンルーフ、JBLサウンドシステム、スポーツシートが装備される可能性が高い。

どのような名称になるのかは謎だ。2022年にコンセプトが発表された際、市販バージョンは「bZ3X」になるだろうと噂されていた。これは、bZ4Xと比較して小型であるためだ。しかし、新型アーバンクルーザーでは、トヨタは “bZ” という命名戦略から離れ、欧州市場で過去に販売され、馴染みのある名称を選んだ。新型EVの命名でも、再び歴史を振り返ることになりそうだ。

3万1300ポンド(約590万円)のC-HRと4万2860ポンド(約810万円)のbZ4Xの中間に位置するため、新型EVの価格は3万8000ポンド(約720万円)程度からになると予想される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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