【輸入車のベストセラー】ミニ・クーパー3ドアとエースマンにBEVのジョン・クーパー・ワークス登場!これでラインナップ完成?

公開 : 2025.02.28 12:05

2月27日、ビー・エム・ダブリューはハイパフォーマンスモデルの電気自動車、ジョン・クーパー・ワークスEとジョン・クーパー・ワークス・エースマンEの販売を開始しました。発表会の模様を篠原政明がレポートします。

ミニ史上初ハイパフォーマンスモデルの電気自動車

2月27日、ビー・エム・ダブリューは『ミニ』ブランドからハイパフォーマンスモデルの電気自動車、『ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JOHN COOPER WORKS)E』および『ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマン(ACEMAN)E』を設定して販売を開始した。デリバリーは、2025年第2四半期以降を予定している。

輸入車のプレミアムスモールコンパクトセグメントを代表するミニは、好調が続いている。2024年の年間販売台数は1万7165台で、輸入車のモデル別販売台数では9年連続でナンバー1の地位を堅持している。

2月27日、ミニ・ジョン・クーパー・ワークスE(左)、同エースマンE(右)の販売を開始。
2月27日、ミニ・ジョン・クーパー・ワークスE(左)、同エースマンE(右)の販売を開始。    山田真人

この人気には、大きな理由がふたつある。まず、現行型の新世代ミニにおいても、クーパーの3ドア/5ドア(ハッチバック)、カントリーマン(SUV)、コンバーチブル(オープン)、エースマン(クロスオーバー)と、5種類のボディタイプを用意していること。

そして、電動化が進んでいる時代でミニにもバッテリー電気自動車(BEV)がラインナップされているが、すべてのモデルをBEVだけにするのではなく、従来からのガソリンエンジンやディーゼルエンジンといった内燃機関、さらにはプラグインハイブリッドと、さまざまなパワートレーンも用意していることなどだ。

ユーザーニーズの多様化にあわせて、ボディタイプやパワートレーンを設定する。パワートレーンの多様化についてBMWグループでは『テクノロジーオープンネス』と呼んでいるが、電気だけにこだわらない、さまざまなパワートレーンの開発を継続していく戦略をとっている。

それゆえ、水素を燃料としたFCEV(燃料電池電気自動車)の開発も進められており、2028年には本格生産を開始し、将来的には日本にも導入する予定であるという。

ミニには既にクーパー3ドア/カントリーマン/エースマン/コンバーチブルにBEVが設定されているが、今回ハイパフォーマンスモデルのジョン・クーパー・ワークスにもBEVが設定された。それが、3ドアの『ジョン・クーパー・ワークスE』と『ジョン・クーパー・ワークス・エースマンE』だ。

エンジン車のJCWよりパワフルで速い

車名が示しているように、ベース車はクーパーの3ドアとエースマンだ。エースマンは日本でも昨年デビューした、クーパーとカントリーマンの間に位置するクロスオーバーの5ドアで、BEV専用モデルとなっている。

ジョン・クーパー・ワークス(以下、JCW)はミニのハイパフォーマンスモデルに与えられるサブブランドで、1960年代に初代(クラシック)ミニでモータースポーツ界を席巻したジョン・クーパーという人物からインスパイアされている。

発表会場にはクラシック・ミニのジョン・クーパー・ワークスを展示。
発表会場にはクラシック・ミニのジョン・クーパー・ワークスを展示。    山田真人

JCWの電気自動車は今回が初となるが、最高出力190kW/最大トルク350Nmを発生する電気モーターで前輪を駆動する。ボディ床下に収納されたリチウムイオン電池の容量は54.2kWhで、一充電での走行距離は、JCW Eが421km、JCWエースマンEが403kmとなっている。

充電方式は普通充電とCHAdeMO方式の急速充電に対応しており、普通充電なら6.4kWまでの交流電流、急速充電なら95kWまでの直流電流からの充電が可能。急速充電ならば、約30分でバッテリーを10%から80%まで充電できる。

ステアリングホイールの赤ボタンを押すとEブースト機能で約20kWの追加パワーが10秒間供給される。Eローンチコントロールを使えば、発進時のホイールスピンを抑えることもできる。0→100km/h加速は、JCW Eが5.9秒、JCWエースマンEが6.4秒と俊足だ。

ちなみに、エンジン車のミニJCW(170kW/380Nm)では6.1秒だから、電動化で車両重量が重くなっているのにもかかわらず、BEVのJCWのほうが優れた加速力を発揮している。

このパワーに対応すべく、スプリング/ダンパー/スタビライザーといったサスペンションは専用チューニングが施され、とくに前輪のキャンバー角を大きくしてハンドリング性能を高めている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山田真人

    Makoto Yamada

    1973年生まれ。アウトドア雑誌編集部からフリーランスカメラマンに転身。小学5年生の時に鉄道写真を撮りに初めての一人旅に出たのがきっかけで、今だにさすらいの旅をするように。無人島から海外リゾート、子どもからメガヨットと幅広い撮影ジャンルを持つ。好きな被写体は動くものと夕陽。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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