真打ちは6.0L V8エンジン ヴォグゾール・モナーロ(2) ブランド最後のマッスルカー

公開 : 2025.03.29 17:46

運転を好む層を掴めずにいたヴォグゾールの一手、モナーロ エンジンはコルベット C5と同じLS1 オーストラリアの横断に好適な余裕 真打ちのVXR 6.0は403ps 英編集部が4台で振り返る

見た目が大幅に強化 凛々しい5.7 VZ

最初期型の導入から数か月後、2004年後半にヴォグゾール・モナーロはアップデート。5.7 VZを名乗るようになる。控え目だった容姿は、ボンネット上のエアスクープと、前後バンパーの再デザインで大幅に強化された。

コルベット譲りのV型8気筒、LS1ユニットは、カムシャフトの変更などで354psと50.9kg-mへ増強。テールパイプは、2本出しから4本出しに増量。エンジンの排気音が、ゴージャスに放たれるようになった。

ヴォグゾール・モナーロ 5.7 VZ(2004年/英国仕様)
ヴォグゾール・モナーロ 5.7 VZ(2004年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

安全性や空力特性を向上させるため、燃料タンクは荷室の下からリアアクスルの前方へ移設。内装も、センターコンソールやオーディオ周りに変更を受けている。

キース・ブルックス氏が所有する、シルバーの1台は2004年10月に登録された5.7 VZ。オプションだったプライバシーガラスとリアスポイラーが装備され、一層凛々しい雰囲気に仕上がっている。

引き上げられた動力性能は、発進直後から明白だ。低回転域から、速度上昇が鋭い。カーブが連続する道を、一層キビキビと巡っていける。シフトチェンジする回数が減ったぶん、明らかに音量の増したV8サウンドをたっぷり鑑賞できる。

ただし5.7 VZも、ヴォグゾールにとっては前座に過ぎなかった。2004年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで発表されたのが、VXRというサブブランド。アストラ VXRとVXR 220に並んで、モナーロ XVR 5.7がお披露目された。

BMW M3を凌ぐ動力性能 野性味溢れるV8

ボディサイドにブラックのストライプが入った、シルバーの1台がVXR 5.7。トリッシュ・ホッダー氏がオーナーで、走行距離は42万kmへ迫るらしいが、エンジンや6速MTはリビルドなしでも好調とのこと。

購入してから8年間、彼は毎日の通勤に利用しているそうだ。「パートナーが乗っている、ロータス・カールトンに負けないよう購入したんです」。と笑う。

ヴォグゾール・モナーロ 5.7 VZ(2004年/英国仕様)
ヴォグゾール・モナーロ 5.7 VZ(2004年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

サイドシルが張り出し、アルミホイールはオプションだった19インチ。リアスポイラーは大きく、前後のバンパーはアグレッシブさを増している。

インテリアは、シートがアルカンターラ張り。背もたれには、VXRのロゴが入る。ダッシュボードには、油温と油圧のメーターが追加されている。

5.7L V8エンジンは、387psと50.9kg-mを発揮。3.2L直列6気筒を積んだ、同時期のE46型BMW M3を凌ぐ動力性能が与えられ、英国価格は3万5565ポンドと、6000ポンドほど安かった。

ステアリングホイールを握ってみると、5.7 VZより更に速い。それでも、40万km以上を重ねたためか、大きな差までは感じられない。シャシーは引き締められ、アルミホイールが1インチ大きく、コーナリングの安定性が向上していることは間違いない。

乗り心地は明確に硬いが、今回の試乗コースに点在した荒れた区間では、バンプストッパーに当たる場面がしばしば。車重は1658kgと、現代の水準では軽く思えるが、当時としては重量級だった。野性味溢れるV8エンジンが、特有の個性を生んでいる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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