真打ちは6.0L V8エンジン ヴォグゾール・モナーロ(2) ブランド最後のマッスルカー
公開 : 2025.03.29 17:46
真打ちのVXR 6.0 403psと53.9kg-mへ上昇
2005年に真打ちのように投入されたのが、VXR 6.0。V8エンジンは5967ccへ排気量が増やされ、403psと53.9kg-mへ上昇。当時のAUTOCARのテストでは、80-112km/hの中間加速を10.2秒で処理し、5.0秒も短縮したことを確認している。
サスペンションは、リアダンパーやブッシュ類をアップデート。ステアリングとブレーキも改められ、19インチ・ホイールにはピレリPゼロ・ロッソ・タイヤが組まれた。

リー・ローズ氏が乗るレッドの1台は、2006年式のVXR 6.0。多くの例と同様にオーナー好みに手が加えられ、吸排気系とECUのチューニングで436psを得ているという。
強化クラッチにショートシフター、キャディラックCTS-V用のコイルオーバー・ダンパーとブレーキなども、こだわりのチョイス。路面へ屈んだスタンスが、オリジナルではないことを物語る。
「かなりウルサイですよ」。ローズが静かに教えてくれた。マフラー交換でショップに持ち込んだところ、サイレンサーも取り除かれていたとか。フォトグラファーの話では、3km離れた場所からレンズを向けても、はっきり加速時の轟音を聞き取れたそうだ。
アクセルペダルを踏み込むと、アメリカのストックカーレース、ナスカー・マシンのような大音量。クルマ好きからも、冷たい視線が向けられる可能性はありそうだ。とはいえVXR 6.0の運転体験は、今回の4台の中で最も鮮烈。解像度が高い。
ヴォグゾール最後といえるマッスルカー
回転域を問わず、大排気量のV8エンジンが怒涛のパワーを展開する。信じられないほど、速度上昇は即時的だ。
車重を無視することはできないものの、コーナリング時の安定性も遥かに高い。挙動は漸進的で、フロントタイヤは粘り強く路面を掴み、リアタイヤは右足の加減でバランスさせられる。

ホイールベースが長いから、硬めのサスペンションでも、乗り心地は過酷ではない。道幅の広いコースへ持ち込めば、より深く秘めた実力を探れたに違いない。
モナーロの積極的な展開で、ヴォグゾールはマーケティング上の成果を掴んだ。退屈なサルーンを擁するだけでなく、高性能モデルも提供するブランドとしてみなされるようになった。後継モデルとして、サルーンのVXR8を排出することにも繋がっている。
ヴォグゾールから、ここまで本気のマッスルカーが新たに誕生する可能性は極めて低い。シルバーの5.7 V2 IIIは、新たなオーナーを求めているらしい。
協力:オールテレーン・オートモーティブ社、アウトバーンストーマーズ社
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