CLK「ブラックシリーズ」へ通じる魅力 メルセデスAMG CLE 53 長期テスト(2) 抜群の音質

公開 : 2025.03.22 09:45

現在の量産車で最高の万能ユニットの1つ

このダイヤルは、AMG CLE 53と満ち足りた時間を過ごせるかどうかの、鍵を握っている。同僚のジェームス・アトウッドは、筆者の気持ちを代弁してくれた。

「最初は、親しくなるのに時間が必要なクルマだと感じました。でも、少し時間をかけて設定を探るほど、魅力が顕になっていきます。少し硬めで落ち着かない印象でしたが、最後にはすっかり楽しませてもらいました」

メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)

「上品で心地いいインテリアが、高級なメルセデスAMGのクーペに乗っていると実感させます」。と続ける。

副編集長のフェリックス・ペイジは、直6エンジンを褒める。「現在市販されているモデルへ載るもので、最高の万能ユニットの1つといって間違いないでしょう。低域では静かで扱いやすく、開けた区間ではパワフルで、図太いサウンドを放ってくれます」

ただし、完璧なわけではない。Eクラスへ近いボディサイズや、限定的な後方視界、短くないオーバーハングなどは、指摘する部分といえる。だが、どれも短時間で慣れることはできる。少し経てば、思い切り楽しめる。

クロップリーが、まとめるのに丁度いい言葉を残してくれた。「こんなクーペの真価を引き出すには、かなり積極的な運転が求められます。走る道によっては、社会性に欠けると批判される可能性もありますが」

「それでも、適した区間であれば、素晴らしい充足感で応えてくれます。間違いなく」。原稿書きを終えて、筆者ももう一度走らせたくなってきた。

積算3549km 群を抜く音質のステレオ

筆者の聴覚は、ステレオの良し悪しを聞き分けられるほど、訓練を受けてはいない。それでもAMG CLE 53に積まれる、ブルメスター社製の3Dサラウンドシステムが、群を抜く音質なことは理解できる。本当に臨場感が高い。

ブルートゥースを介した、スマートフォンでの通話も高音質。話し相手にも、相当クリアに筆者の声は聞こえるらしい。まるで同じ部屋で会話しているかのようだ、と教えてくれたほど。

メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)

テストデータ

気に入っているトコロ

ウェルカムライト:ドアロックを解除した際に投影される、ウェルカムライトのロゴは大きく明るい。恐らく、クラス最大だろう。

気に入らないトコロ

アルミホイール:タイヤのサイドウォールから、リム部分がかなりはみ出ている。丁寧に運転しているつもりだが、既に2回もガリキズを付けてしまった。悲しくて泣きそう。

テスト車について

モデル名:メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)
新車価格:7万8825ポンド(約1537万円)
テスト車の価格:8万1445ポンド(約1588万円)

テストの記録

燃費:9.9km/L
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト メルセデスAMG CLE 53の前後関係

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