リコール対応も無線アプデで BMW i5 ツーリング 長期テスト(3) エア圧で航続距離は変わる?
公開 : 2025.03.23 09:45
気温で大きな影響を受ける駆動用バッテリー
エンジン車の燃費と同様に、タイヤの空気圧で、モーター車は電費が変化する。加えて、気温でも駆動用バッテリーの効率は大きな影響を受ける。最近の寒波の影響で、i5 ツーリングの航続距離は大幅に短くなっていることは間違いない。
気温が高い頃には、100%まで充電すれば、400km前後を走ることができた。しかし氷点下近い気温になると、丁寧に運転しても340km程度へ低下してしまう。

今週は、ロンドンの外れにあるAUTOCARのオフィスへの通勤や、グレートブリテン島中部、ゲイドンにある英国自動車博物館、いつものジムやスーパーなどを訪れ、合計323kmを走りきった。自宅の充電器へ繋いだ時のバッテリーの残量は、4%だった。
カタログ値の航続距離が甘い数字だということは、重々承知している。気温による性能の変化も、これまでの試乗で何度も体感してきた。しかし、一般的なユーザーの理解度がそうだとは限らない。
BMWは、i5 ツーリングの航続距離を最大498kmだと主張し販売している。しかし真冬だったり、暖かい季節でも高速道路を巡航させると、3割程度は短くなる。その事実を目の当たりにし、落胆する人は少なくないだろう。
タイヤの空気圧で航続距離はどのくらい変わる?
タイヤの空気圧で、航続距離にはどんな変化があるのだろうか。まずは、BMWが推奨するデフォルト値で走り、エア圧が少し高めの設定とで、比べてみたいと考えている。1番高効率な、エフィシェンシー・モードを選んで。
奇跡のような数字は期待していないが、i5 ツーリングなら、発進直後から検証をスタートできる。エンジン車のように、水温や油温が充分に上昇するまで、しばらく時間がかかることはなく、エネルギーを無駄にせずに済む。

同様に、駐車場から公道へ出るまでの短時間で、真冬でもドライバーを温めてくれるのはうれしい。どんなクルマにも、良し悪しはつきものだ。
テストデータ
気に入っているトコロ
温水のウオッシャー:ボンネットの表面が凍るほど寒い朝でも、加熱されたウオッシャー液がフロントウインドウの霜を溶かしてくれる。
気に入らないトコロ
時々間違えるカーナビ:右折すると、逆走だと毎回カーナビから警告を受けるT字路が、近所にある。数秒後には、ドライバーが正しいと理解し黙ってくれるが。1度は誤ってくれてもいいのに。
テスト車について
モデル名:BMW i5 M60 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
新車価格:9万9090ポンド(約1932万円)
テスト車の価格:11万6060ポンド(約2263万円)
テストの記録
航続距離:415km
電費:4.1km/kWh
故障:なし
出費:なし
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