日産キャシュカイ1.6DIG-T 163 N-テック
公開 : 2015.02.23 23:40 更新 : 2017.05.29 19:27
■どんなクルマ?
日産が2世代目キャシュカイ(日本名:デュアリス)をデビューさせたのは、ちょうど1年前。この際、日産は新モデルの披露と同時に2.0ℓユニットを廃止する道を選んだ。
その後継として投入したのが、DIG-T 163と呼ばれる新しい1.6ℓユニット。早くも評判を耳にしている向きもあるかもしれないが、聞くところによると、パフォーマンスと燃費はかなり優れているようだ。
1.2ℓと1.5ℓユニットも既に、かなり高い評価を受けているなか、果たして最新の1.6ℓユニットはどのような仕事をしてくれるのだろうか?早速テストを始めるとしよう。
■どんな感じ?
(一部を除いて)どのメーカーも必死になって小さなエンジンを作り、できあがったエンジンから最大限のパワーを引き出そうと努力する現代。皆、同じゴールを追いかけているようにさえ感じる。
ただ、先代の2.0ℓユニットより15%出力が向上し、163psをマーク。さらにトルクは22%もの向上を果たし、24.5kg-mに到達したと聞けば、少なくとも日産の努力は正しい方向に向かっていると感じる。
ちなみに現時点で展開されているキャシュカイのなかでもっとも力強いのがこのユニット。気になる0-100km/hタイムは9.1秒。最高速度は200km/hというのがメーカーの公表値だ。
ちなみに、英国版AUTOCARの姉妹誌、What Car?が企画したカー・オブ・ザ・イヤー2014では、質感と洗練性が評価され、見事1位に輝いている。
さらに嬉しいことに、新しいエンジンが追加されたことにより、着実に魅力を増している。回転数に関係なく滑らかで静かな点は、なかでもキャシュカイの強力な強みなのだ。
ただ、完璧とはいい難い点も見受けられた。3000rpmから上の回転域では、小型SUVらしからぬ快活さを披露してくれるのだが、3000rpmより下の回転域ではザラザラとキメが粗い感覚をもたらすのだ。
高速域では、ゆったりとくつろぐことができるほど静かなエンジンであるだけに、3000rpm以下の悪癖の解消を望まずにはいられない。反面、ウインド/タイヤ・ノイズはきちんと抑えられている。
18インチ・ホイールを履くにもかかわらず、アクティブ・ライド・コントロールのおかげで乗り心地も快適。全モデルに装着され、ボディの動きを手懐けるために、高速域では自動的にわずかに制動を行ってくれる。