ではなにが特別なのかというと、さらに迫力を増したエクステリア・デザインと、高級感たっぷりのインテリアだ。なかでも象徴的な存在といえるのが、3.5ℓV6とハイブリッドの両車に用意された “Executive Lounge(エグゼクティブ・ラウンジ)” だ。

その名のとおり、注目は後席。飛行機のビジネスクラスを思わせる、大型のシェルと肉厚なレザーで構成された２列目シートを持つ最上級グレードである。左右に独立したキャプテン・タイプのシートを持ち、シート本体の幅も100mm拡大されている。

ふくらはぎの裏部分を持ち上げるオットマン機能を含め、すべての動作はもちろん電動で行われ、シート・ヒーター＆クーラーやオーディオの調整は外側のアームレスト内に収納されたリモコンで操作することができる。

さらに反対側のアームレスト内には、収納式のデスクが用意されており、引き出すとノートパソコンを置けるくらいの大きさが広がる。移動中の車内でデスクワークを片付けたい…というヤング・エグゼクティブ(古い？)にはうってつけというわけだ。

そんなエクゼクティブ・ラウンジは、最高級グレードだけあって価格も最高級。ハイブリッド車の同モデルはなんと703万6691円！　ベースモデルのXでさえ319万7782円もするのだが、さらに２倍以上となる。

驚くべきは、これだけの高価格車両でありながら、新型アルファード＆ヴェルファイアは売れに売れている。発売から1ヶ月も立たないうちに各1万台以上、合わせて2万台以上のバックオーダーを抱えたというから驚きだ。現代は「いつかはクラウン」じゃなく、「いつかはアルファード＆ヴェルファイア」なのである。

実際に街中を走らせてみても、とにかくもう注目度の高さは圧倒的。試乗会場となった横浜のみなとみらい地区から、ホームグラウンド(？)でもある大黒PAを訪れると20代と思われる男性2組から声をかけられた。

「すげー！」
「これ新型ですか？」
「ちょっと見ていいですか？」

最近の新型車では珍しいくらいのヒキの強さ。インパネや2列目シートを車外から覗き込んでは、ぱしゃぱしゃと携帯メールで “写メ”っていく。なんだ、最近の若者もまったくクルマから離れていないんじゃん。その対象がスポーツカーやセダンでなくなっただけのことなのだ。