【認証不正問題からの再スタート】現行車11台一気取材!ダイハツの『いま』と『これから』を探る(前編)

公開 : 2025.03.12 11:05  更新 : 2025.03.12 12:18

ダイハツがメディアに向けてラインナップ取材会を行いました。認証不正問題などの対応がひと段落ついたところで、久しぶりに取材する機会を得た形です。ダイハツの現況と今後について、篠原政明が探ります。その前編として、乗用車編です。

2023年は軽自動車のシェアNo.1だったダイハツ

ダイハツ自動車工業(以下、ダイハツ)がメディアに向けて『ダイハツ車ラインナップ取材会』を行った。認証不正問題などの対応がひと段落ついたところで、久しぶりにダイハツ車に触れ、開発スタッフなどの声を聞く機会を得たので、ダイハツの現況について振り返っておきたい。今回はその前編として、乗用車編をお届けする。

一連の認証不正問題への対応に関しては、2025年1月に国土交通省へ提出した書類において、再発防止に関するすべての項目が『実施済み』または『継続して実施中』となった。そこでダイハツではメディアに向けて現在のラインナップや現況を紹介する機会を設けたというわけだ。

ダイハツがメディア向けのラインナップ取材会を開催。写真はタフト(左)とロッキー(右)。
ダイハツがメディア向けのラインナップ取材会を開催。写真はタフト(左)とロッキー(右)。    山本佳吾

まずは軽自動車の市場についてふり返ってみよう。2024年は販売を停止していた時期もあるので、2023年のデータを基にする。

コロナ禍がおさまった2023年の国内新車販売台数はや約477万台で、そのうち軽自動車は約174万台(約37%)と堅調だった。軽自動車のシェアでは、ダイハツは32%とスズキ(30%)を上回って1位となった。

商用車も含む軽自動車市場では、商用車は約2割(40万台)で安定推移している。乗用車では、約半数(63万台)をスーパーハイト系が占め、続いてハイトワゴン(35万台)、SUV(18万台)、2ボックス(15万台)といった状況だ。

軽自動車の約半数は人口密度が500人/平方km未満の地域で保有されており、軽乗用系ユーザーの72%が「軽は生活必需品に近い」と回答している。つまり地方部では、軽自動車は公共交通機関に代わる大切な移動手段であり、大半のユーザーがほぼ毎日使用し、主な用途は『買い物・送迎(40%)』や『通勤・通学(40%)』だという。

とはいえ、仕事や商用、趣味やレジャーに軽自動車を使うユーザーも少なくない。ダイハツでは、こうしたユーザーの多様なニーズに応えるべく、スーパーハイト系からSUV、スポーツカーまで、軽自動車のラインナップを幅広く展開している。また、トヨタにもOEM供給している小型の登録車も手がけている。

今回、取材でチョイ乗りしたクルマを中心に、そのラインナップの印象を簡単に紹介していこう。

タント

ダイハツで最も売れている軽自動車は、スーパーハイト系のタントだ。2023年は15万9000台を販売した。モデル比率は、標準車(約3割)/カスタム(約5割)/ファンクロス(約2割)といったところで、子育て層だけでなく子離れ層やシニアまで幅広く人気がある。

室内のクオリティも高く、ミラクルオープンドアで人や荷物のアクセスは楽。ターボ付きなら高速でも十分なパフォーマンスを発揮し、これ1台で何でもこなすことができそうだ。

ダイハツ・タント・カスタム
ダイハツ・タント・カスタム    山本佳吾

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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