真の「Sクラス」へあと1歩 メルセデス・ベンツEQS 450+へ試乗 バッテリー増量で航続717km

公開 : 2025.03.27 19:05

洗練性や操縦性、動力性能は銘柄にふさわしいが

従来以上の成功を掴むべく、アップデートを受けたEQS。確かに、一定の進化は果たしている。洗練性と操縦性、動力性能などは、ブランドのフラッグシップへふさわしい水準へ到達している。

だが、快適性は期待値へ届いていない。航続距離が伸ばされたとはいえ、電動のSクラスと表現するのには、充分とはいいにくい。技術的な華やかさに不足はまったくないが、磨き込みや内面から醸し出す荘厳さで、真の「S」には到達できていないように思う。

メルセデス・ベンツEQS 450+ ビジネスクラス (英国仕様)
メルセデス・ベンツEQS 450+ ビジネスクラス (英国仕様)

◯:現実的に500km近い航続距離 平時の乗り心地 少しデジタル過多ながら、扱いやすいインフォテインメント・システム
△:i7の方が勝る後席の快適性 流れの速い一般道での上質さと姿勢制御 やや遅めの急速充電

メルセデス・ベンツEQS 450+ ビジネスクラス (英国仕様)のスペック

英国価格:12万9110ポンド(約2518万円)
全長:5216mm
全幅:1926mm
全高:1512mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:6.2秒
航続距離:717km
電費:5.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2636kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:118.0kWh
急速充電能力:200kW
最高出力:361ps
最大トルク:57.8kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×